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「やる気ない」年上50代部下に言ったほうがいい事 年上部下が当たり前の時代のマネジメント

東洋経済オンライン / 2024年9月24日 17時0分

また、自分より年上のメンバーを持つ課長は、「相手が年上だからといって遠慮しすぎずに、課長という役割を果たすよう心がけている」と言っていた。そのようなスタンスでいるほうがうまくいっていることが多いようである。

ある製薬会社の課長は、自身の昇格により、以前自分の上司であった人がメンバーとなったことがある。年下の上司もやりにくいし、年上のメンバーもおもしろくない。

その際、課長という立場から言うべきことを言いつつ、年上のメンバーの強み・弱み・特徴をよく理解したうえで、極力、年上のメンバーの強みを活かそうとしたそうである。

特に年上のメンバーの強みが出る分野においては、「○○については、どのように考えますか?」「何か、若手に向けてのアドバイスなどありませんか?」など相談を投げかけながら、やる気や能力を活かすようにし、結果、うまく課をマネジメントできたとのことである。

ジュニアメンバーにやってはいけないこと

10歳、20歳、時に30歳以上年齢差があるジュニアメンバーを持った場合、どうするか?

「最近の若手は考え方、価値観が違いすぎる」と思うこともあるだろう。また、話題がかみ合わないこともあるかもしれない。

数千年前に書かれた古代エジプトの壁画から、「最近の若者はどうしようもない」と書かれた落書きが見つかっている。いつの時代でも「最近の若者は……」という話題は尽きないようである。

若いメンバーに対しては、次のようにするとよい。

①まず相手の話を聴いていく

相手の仕事また仕事以外の点において、意見・考え方などを聴いていくと相手も話すようになる。素直に相手の話に耳を傾けて、相手から学ぶつもりで接するとよい。

筆者自身、大学2〜4年生向けの授業を担当している。当初は大学生を理解できるかどうか多少の不安もあったが、よく話を聴いていくと、デジタルや社会課題に関する考え方や価値観、どんなことに関心があるかなどが徐々に理解できるようになってきた。

②自分の失敗談を伝える

タレントの高田純次氏は、「年配者が若者にやってはいけない話は、説教と昔話と自慢話」と言っている。ビジネスにおいても同じである。恥ずかしながら、筆者も若いメンバーに説教的なことを言ってしまい、反省することがある。

経験や考え方などを伝えるために過去の成功談もよいかもしれないが、若いメンバーにとっては、年配者の失敗談のほうが自慢話より聴きやすく、ずっと参考になる。「新入社員のころ、○○の失敗をしたことがある」「○○で悩んだことがある」などの話をすると、年齢差のあるメンバーにも共感でき、思いのほか、耳を傾けたり、質問してくるだろう。

安部 哲也:立教大学大学院ビジネススクール(MBA)客員教授・EQパートナーズ代表

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