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最新ハーレーがスポーティ路線に舵を切った理由 「ストリートグライド/ローライダーS」試乗記

東洋経済オンライン / 2024年9月24日 11時0分

ワインディングでも走りのよさが光っていた。コーナリングは速度域やコーナー曲率にかかわらずクセがなく素直で、タイトに曲がり込む低速域でもハンドルの切れ込みや倒し込みでの立ちの強さも感じない。さすがに軽快とは言えないが、狙ったラインに正確に乗せていく重厚な乗り味はクセになる気持ちよさだ。この巨体にして街乗りから高速移動までオールマイティ。アメリカの白バイにも昔から同タイプが多いのも頷ける。

コックピットも一新され、新しくなった大型ワイドのフルカラーTFTディスプレイの美しい画面や、高性能スピーカーから流れるクリアなサウンドを聞きながら街を流すだけで贅沢な気分になれる。また、これらを使いこなすためのスイッチ類のデザインも現代的で操作もしやすかった。ハーレーの中でも大きく立派なツーリングファミリーはついつい見た目の雰囲気に圧倒されがちだが、乗ってみるととても素直で扱いやすい。ストリートグライドはその代表格と言っていいだろう。

一方のローライダーSは、ハーレー伝統のロー&ロングな車体とスタイリッシュな造形が特徴の“走り”のモデルである。

ローライダーの歴史は1977年にさかのぼる。創業一族のウィリー・G・ダビッドソンが設計した初代ローライダーは、走行性能を重視したシャーシに当時のビッグツインエンジンを搭載、70年代のチョッパーを思わせるアウトロー的な雰囲気も手伝って大ヒット。

ちなみにチョッパーとは、かの有名なハーレー乗りのバイブル的映画「イージー・ライダー」に出てくるような“そぎ落とし系”のカスタムのこと。その意味でノスタルジックな感情を呼び起こすモデルでもあった。今日にいたるロングセラーモデルとなったローライダーに転機が訪れたのが2017年。現代的なフレーム構造を持った「ソフテイルファミリー」に統合された新世代マシンとして一大リニューアルを敢行。エンジンには新設計の「ミルウォーキーエイト」が採用され、空冷・OHVという伝統的な機構を守りつつも性能を大幅に向上した。

アメリカンスポーツの王道

その由緒あるローライダーをベースに、さらに走りの性能とスタイルに磨きをかけた上級版として登場したのが「ローライダーS」である。2020年には新型ソフテイル版として復活。アメリカ西海岸のカスタムシーンで流行りのクラブスタイルに触発された筋肉質でスタイリッシュなデザインを纏い、倒立フォークやドラッグバーを採用するなどパフォーマンスを強調したモデルへと進化。2022年モデルではハーレー史上最大排気量を誇る1923ccの「ミルウォーキーエイト117エンジン」が与えられ、リアショックの延長によりストローク量と地上高が確保されたことでコーナリング性能もさらに向上している。なお、価格は294万5800 円(税込)となっている。

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