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「着物にどハマりした」黒人男性と女性のそれから 着物に突然恋してしまったそれぞれの物語

東洋経済オンライン / 2024年9月24日 14時0分

そこでハリスさんは、主にアメリカの人々に着物を売り始めた。時折、彼女は着物を試着したが、いくつか問題があった。1つは、着物を所有することに熱中していたものの、正しい着方を知らなかったことだ。

「日本には着物の着付けやスタイリングを教える学校がいくつもあることを知りませんでした。そこで、多くの英語圏の人がすることをしました。『The Book of Kimono』という本を買いました。素晴らしい本でしたが、ちょっと圧倒されました。自分には無理だと思ったのです」

もう1つの問題は、ハリスさんの身長と体格が一般的日本女性のなサイズとはかけ離れていたため、着ることができないかもしれない、とおそれていたことだ。

「私はアメリカのクイーンサイズの女性です」とハリスさんは話す。「私の身長は178cm。それに、着物を着ているのを見たことがある人たちは、私ほどメラニンを持っていませんでした。つまり、黒人ではなかったのです。私のような人は、着物が似合う人の典型的な美の基準とは違いました」

しかし、彼女は着物についてもっと学びたい一心で、英語で着物を教えてくれる学校を探した。日本語は多少話せるものの、着付けのような複雑なことを学ぶのに必要と思われるレベルではなかったからだ。しかし、資格認定を行う学校はどこも日本語だけだった。

「資格が欲しかったのですが、英語では無理でした」と彼女は言う。「英語で着物のレッスンを受けても、資格は取得できないのです」

そこで、ハリスさんは「ブラック・ウーマン・イン・ジャパン」という団体の仲間を通じて着物学校についてアドバイスを受け、最終的に1つの着物学校へと入学することにした。

何年も勉強した後、ハリスさんは着物への愛情を、自分の生徒たちに教えることで示している。

日本人に着付けられたときの「トラウマ」

ボストン出身で日本に長期滞在している40代の及川多美香さんは、ハリスさんの最初の生徒の1人だ。及川さんに、日本人の着物の講師ではなく、なぜハリスさんを選んだのかを尋ねたところ、彼女は日本人講師との「トラウマ的体験」についてこう話してくれた。

「泣きそうになるくらいパットを詰められたのです。体の凹凸をなくすためだと思いますが、そうするためにどれだけのパットとタオルが必要だったか……」と彼女は身振りを交えながら”惨状”を語った。

「私は歩くことさえできなかったのに、それでも講師は私の体が均等に見えるように詰め続けました。ただそうすると私の体は実際より大きく見えてしまう。私はすでに大きめなのに。いちごロールケーキのような気分になって、もう二度とこんなことはしないと自分に言い聞かせました」

「メリハリがある体型の黒人女性が、日本人と同じような体験をすることは難しい」と及川さん。黒人女性はアジア女性よりも豊満で、着物のような伝統着の着こなし方も日本人のそれとは異なる。つまり、日本人が黒人女性を着付けるのは難しいのだ。

「でもカーラ自身も豊満な体型の女性だから、どう着付ければいいのかよくわかっていました」と及川さんは語る。

ハリスさんは高騰師範になることをとても楽しみにしている。彼女は教師という仕事に愛着を持っているが、同時に着物教育も続けるつもりだ。それもそのはず。「私は20年間、人生の半分以上を日本で過ごしてきて、着物は私の人生の大きな一部になっています。それがすぐに変わるということはないでしょう」。

バイエ・マクニール:作家

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