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「頼み事引き受けて後悔しがちな人」意外な解決法 「先のことだからいっか」の罠を逆手に取る方法

東洋経済オンライン / 2024年9月25日 12時0分

5カ月半の間にはさまざまなことが起こった。13年落ちのミントグリーン色の日産車を買う羽目になったり(「乗ってみたら、おもちゃの車を運転するG.I.ジョーみたいだった」とは本人の弁)、スクラッチの宝くじで2万5000ポンド当てたりと思ったら削りすぎて無効。詐欺メールにも素直に対応してしまうなど……。

ここまで読んで思い当たる方もいるだろう。ジム・キャリー主演の映画『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(バジリコ)の原作はダニーの回想録だ。

あまり知られていないのだが、心理学者は自身の研究結果におもしろい名前をつけることがある。イェール大学でマーケティング学を教えるギャル・ザウバーマン教授とコロラド大学ボルダー校のジョン・リンチ教授は「イエス」と答えたものの悔いる傾向を「イエス→しまった! 案件(Yes/Damn Effect)」と名づけた。ぴったりのネーミングだ。

「イエス」と引き受けておきながら「しまった!」と後悔する経験は、誰でも覚えがあるだろう。「ノー」を選択肢から排除したせいで、あらゆる状況下で「イエス」と答え続けることになり、その結果クレジットカードの負債を抱えたり、バーで殴られそうになったり、抗うつ剤や育毛剤の処方せんなど、必要のないものを購入する羽目になる。

とはいえ、「イエス→しまった! 案件」は、必ずしもそうした直接的な(あるいは愚かな)結果をもたらすわけではない。

最近あなたが受けた頼まれごとは何だっただろうか。職場でプレゼンをするとか、子どものサッカーチームのコーチをするとか、つき合いの浅い友人の誕生日パーティーに行くとか、さまざまな約束があるだろう。

細かな用事が及ぼす影響は予測できない

スケジュールが真っ白なので、それなら大丈夫だろうと思い「イエス」と答える。しかし予定が近づいてくるにつれ、あまり時間がないことに気がつく。頼まれごとよりも、自分の用事をこなしたいと思うようになる。それが「イエス→しまった! 案件」だ。

ザウバーマン教授が説明してくれたが、私たちは3カ月後に何も用事がないと思っているわけではない。ただ、今よりは時間が空くだろうと思っているだけだ。しかし、そのうち、未来は「時間無制限の魔法の国」だと勘違いするようになる。

実際、ザウバーマン教授がある研究で自由になる時間について、10段階で評価する調査を行ったところ(1=現在十分な時間がある、10=1カ月後に十分な時間がある)、被験者の回答は平均8.2だった。

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