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「頼み事引き受けて後悔しがちな人」意外な解決法 「先のことだからいっか」の罠を逆手に取る方法

東洋経済オンライン / 2024年9月25日 12時0分

そうした錯覚の原因の1つとして挙げられるのが、メールへの返信や会議、同僚や友人との約束、近所づき合いなど、日々の中で数分、数時間を費やす細々とした用事だ。思いつくまま挙げれば他にもあるはずだが、今も未来もこうした小さな用事が思いがけず飛び込んできて、私たちの時間や労力を消費する。

問題は、私たちがこうした細かな用事を予測するのが得意ではないということだ。先延ばしのときと同様に、未来について考えているつもりが、現実的には見ていないのだ。

とはいえ「イエス」という答えが必ずしも間違いだとは言い切れない。ダニーは言う。

「『イエス』はチャンスの言葉だ。イエスのひと言で楽しみや冒険、予期せぬことが転がり込む。なぜなら1つの『イエス』が別の『イエス』につながるから。まるでドミノ倒しのように」

トロント大学でマーケティング学を教えるディリップ・ソマン教授は、こうした「イエスと言うべきかノーと言うべきか」のジレンマを認識した上で、自分の生活に「ノー→やった! 効果」を取り入れるとよいと言う。

何かを約束する際には「イエス→しまった! 案件」を念頭に置き、自分の負担になりそうなものには「ノー」と言う。

そして、カレンダーにあえてその「断った約束」を記入し、「同意せず」と書き添えておく。そして約束の日が近づいてきたら、改めてカレンダーを確認して「やったー!」と叫ぶ。「断っておいてよかった」と思い、自由な時間を享受する喜びをかみしめるのだという。

他人を幸せにすることを優先していく

それではどうやって「イエス」と「ノー」を使い分ければいいのだろう。こればかりは簡単に決められないが、ダニーのアドバイスが素敵だったので紹介しよう。

「相手を幸せにし、なおかつ自分の幸せにしわよせが来ないのなら『イエス』と言うのがいい」

他人の幸せが自分の幸せよりも圧倒的に優先される場合、あるいは自分の計画をおろそかにするクセがある場合は「ノー」と言ったほうがうまくいく。もちろん、状況に応じて判断すべきだとは思うが。

私たちは「旅行計画が不十分なミス」に翻弄され続ける。未来の自分について考えを巡らせるものの、あくまでも表面的な部分しか見ていない。計画ミスをより広い視点から捉えると、自己認識の問題に突き当たる。未来の自分に何かを課す場合、自身の幸せを2つの側面から考えてみてほしい。

1つは、それを課すことで未来の自分に重荷やストレスを与えないか。

もう1つは、今やらないことを未来の自分に託せば、どんな効果が生まれるか。どちらも先延ばしと「イエス→しまった! 案件」に通じる問題だ。

ハル・ハーシュフィールド:UCLAアンダーソン・スクール・オブ・マネジメント教授

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