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中尾ミエ「70歳を過ぎても現役」でいるための心得 健康のバロメーターは「声に張りがある」こと

東洋経済オンライン / 2024年9月25日 15時0分

そう考えてみると、維持するというのが、いちばん大変なことですね。実際にやることはそこまで大変なことではないけれども、継続が難しいと思います。

和田 維持するという考え方はバカになりませんよ。認知症の人も含めて高齢者は放っておくとできないことが日々増えていってしまう。今日できたことが明日もできる保証なんてないわけですから、それが毎日できるだけでも、年を取っていないことの証拠だと思いますし、認知症を進めないための重要なポイントなのです。

認知症と診断された時点では、物忘れはあってもきちんと話すことはできます。料理もできるし、買い物もできる。だから重要なのは、これ以上、認知症の症状を進行させないことなのです。そのためにはどうしたらいいですかとよく聞かれますが、とにかく今できることをなるべく減らさないようにすることだと、私はよく言います。

たとえ認知症でなくとも、放っておくと今できることがどんどんできなくなるというのが、老化なんですよね。アンチエイジングにおいて、本当に重要なのは、中尾さんが今、おっしゃられたこと。ずっと続けていくこと。維持することなんだというのは、とても大事な発想です。

中尾 身体を動かすことの効果は、身をもって感じます。それをずっと続けてきたから、現在もつらさを感じずに、さらに継続できているのだなと実感しています。だから声を大にして言いたいのは、70、80になってから急に焦って始めても、手遅れというわけではないけれども、できるならば60代の身体がまだまだ動く時期から、意識的に続けていたほうがいいと思います。

和田 中尾さんは歌手ですから、今もお客さんの前でステージに立って歌われている。当然、ボイストレーニングなんかも継続されているわけですよね。

中尾 もちろん、しています。

「声を出す」ことが認知症の進行を遅らせる

和田 これはあくまでも経験論的なことなので、何か実証的なデータがあるわけではないけれども、私は声を出すことが認知症の進行を遅らせる1番いい方法なのではないかなと思っているんです。

私の患者に何人か詩吟をやっている方がいるんですが、その方たちは本当に認知症の進行がほとんど見られない。どこまで因果関係があるのかはわかりませんが、やはり声を出すことが大事なんだろうなと。

中尾 認知症であることは確かなんですね?

和田 もちろん。物忘れもありますし、脳も萎縮している。典型的な認知症です。けれども、詩吟をやられている方はあまり進んでいないんです。もちろん、年齢とともに衰えるわけですけれども……。そういう方は少なからずいらっしゃいますね。詩吟が特別いいのかは定かではないけれども、私はカラオケなんかを勧めたりしています。

声がダメになると、嚥下機能も悪くなる

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