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子供に「大人みたいなアレルギー」が増えている訳 「食物アレルギー・花粉症」低年齢化の意外背景

東洋経済オンライン / 2024年9月26日 10時0分

理由はまだはっきりわかっていません。牛乳や卵には、アレルギーを誘発しやすい成分が多く含まれていますが、子供は免疫システムが未発達で、それらがアレルゲンになりやすいのでは、と考えられています。

また、子供の生活範囲は、学校、家、塾と限られており、子供は食べるものの種類が限定的ですが、大人は、会社、家、出張先とさまざまで、いろんな店でいろんなものを食べています。

大人の場合は、子供に比べてアレルギー症状もかなり多彩で、お腹が痛い、だるい、頭痛などの訴えで来院することもあります。

運動、飲酒、ストレス、過労、女性の月経前の状態などがアレルギーを誘発し、増長しやすくする傾向も経験上わかっており、大人の場合は、そういった点でも特殊性が見られると考えられます。

一方、最近では、本来「大人に多いアレルギー」が子供にも見られることが多くなりました。

それには、生活の多様性が関わっています。かつては、子供に生魚を食べさせることはあまりありませんでしたし、エビやカニを生で食べるような高級店に子供を連れていくことも稀なことでした。

しかし、今は、回転寿司店へ赤ちゃんを連れていくご両親がたくさんいます。冷凍技術の革新や流通の拡大によって、ファミリーレストランなどで、かつて乳幼児期には口にしなかったものを食べさせるようにもなりました。

将来的に、過去には起こらなかった食物アレルギーが増えてくる可能性はあるでしょう。

大きな問題は、花粉症とアレルギー性鼻炎の低年齢化です。花粉症は、かつては大人の病気でした。ところが、私の子供は保育園の時から花粉症です。花粉によって引き起こされる食物アレルギーも、子供に増えてきているのではないか、と考えられています。

一方、学校に通う子供たちを対象にした調査では、6つの主要なアレルギー疾患(喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症、アレルギー性結膜炎、食物アレルギー)の中で、唯一、喘息だけが減少する傾向にあります。気流の変化や、環境対策、企業や自治体の努力などいろんな要因があると思いますが、時代の変遷によってアレルギーの種類も変化しているのだと思います。

日本に多い「アニサキスアレルギー」

アレルギーは、アレルゲンが人の体内に何度も何度も入ってきて、IgE抗体ができる「感作」が成立して発症しますが、感作するアレルゲンには地域性や個人差があります。

例えば、日本の花粉症は、スギがメジャーな原因ですが、欧米では、他の樹木や雑草の花粉がメジャーです。

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