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大阪に爆誕「うめきた公園」があまりに凄かった件 グラングリーン大阪は再開発の転換点になるかも

東洋経済オンライン / 2024年9月26日 10時30分

こうした中核施設の性質ゆえか、1〜3階まではいわゆる普通の商業施設のようにテナントが広がっているが、3階以降は「ほとんど何もない」。

広大なスペースが広がっているだけなのである。実際、4階に上がる前の看板には「4階以上に飲食・物販・サービス店舗はございません」という、普段は見ないような看板が。つまり、施設全体が「スペースを貸す」場所になっているのだ。

「うめきた公園」でも感じたことだが「グラングリーン大阪」は全体として、その広大なスペースを「さまざまなもので埋め尽くす」というより、「スペースのまま、有効活用できるようにデザイン」されている、という印象が強い。

その意味でも、ある種の用途の「開放性」が高く、自由を感じる。事業者の思いが強く詰まった場所というより、来場者がその空間に意味を作り出していく、そういうスペースなのである。

「スペース」を押し出す再開発たち

筆者は、近年の再開発事例についてさまざまな発言を行っているが、実は、このような「スペース」を生かした再開発は、最近の再開発のトレンドの潮流の一つだと感じている。

例えば、東京・原宿に4月に誕生した「ハラカド」。ここの4階は「ハラッパ」という場所で、店はほぼ何もなく、ただただベンチと緑が広がっている。原宿の交差点角という「超一等地」で、この「何も置かない」選択をしていることが、非常に興味深く感じられたのだ。

あるいは、再開発というよりリニューアルだが、同じく4月に再オープンしたSHIBUYA TSUTAYAもそうかもしれない。

元々のSHIBUYA TSUTAYAは、CDやDVDがぎっしり敷き詰められる空間だったが、リニューアル後は、イベントスペースやポップアップストア、あるいはシェアオフィスやポケモンカードジムなど、「スペース」を押し出す方向性が明確になった。そのスペースをどのように使うのかは、利用者に任されているのだ。ある意味、これもグラングリーン大阪と似た方向性を持っているといえるだろう。

こうした傾向の背景には、人々のライフスタイルや好みが多様化・複雑化していることもある。何か一つの施設を作って固定するより、あえてスペースを空白にしておいて、そこに来た人に好きに使ってもらうほうが、多様なニーズを受け止めることができる。また、コロナ禍以降急速に普及したリモートワークの影響で、シェアオフィスや貸しスペースが一般的になった影響も見過ごせない。

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