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「Z世代はすぐに転職する」真偽をZ世代に聞く 転職への関心と会社への忠誠心は共存しうる

東洋経済オンライン / 2024年9月27日 10時0分

舟津:1つ素朴に聞いてみたいのが、会社に対して「組織のために」って思うことはありますか。というのは、私は組織論の研究者ですので、組織は給料を与えるだけ、取引相手としてでしか存在しない、という個人のキャリアを強調する文脈では、組織は不要になってしまうんですね。

転職は考えるけど、企業への忠誠心もある

中村:僕はめちゃくちゃあると思っています。たしかに今の言い方だと、超個人主義的ですけど、組織にいるときは、猛烈にその組織に愛を捧げるタイプだと思っています。剣道部に入っていたときとか、塾講師をやっていたときにも、もっと時給のいいバイトがあると言われても、「ここの同僚や生徒に愛着があるから、ここでやりたいんだ」って返していました。だから、転職を考える場面になってみないとわからないですが、そのときは後ろ髪を引かれるんだろうなと思っています。

舟津:そうなんですね。個人化を強調する言説が目立つので、会社や組織に尽くすマインドがあるんだなと新鮮に感じました。

中村:僕が就活している中で、転職をめちゃくちゃされている方々でも、前職の会社のこととか普通に「好きだよ」とかおっしゃるんですよ。「前の会社には今でも、戻れるなら戻りたいと思ってるし」みたいなことを言っていたりするので。だから、僕の認識と同じような人も意外と多いのかなって思っていました。

舟津:それは面白いですね。最近、会社を辞めた人(アルムナイ)と何らかの形で繋がっておきませんか、みたいな仲介サービスがあるんですけど、たしかに需要はありそうですね。原田さんはどうですか。

原田:私は、人生全体を通して何をやるかが一番重要だと思っているので、そのゴールは学生の今は見えてはいませんが、そのための手段として転職はあるのかなと思っています。

ただ、会社への帰属意識がないかと言われると、全然そんなことはありません。もし私が何かやりたいことが見えてきたとして、そう思えたのはきっとその会社で経験を積んだからだと思いますし。ですので、転職はたしかに選択肢としてあるけど、企業への忠誠心、帰属意識は当然のように両立するのかなって思いますね。

舟津:すごくわかります。今って、「日本経済は落ち目だけど、あなただけは助かりましょう」みたいな利己的な生き方が強調されることがあります。でも、なりふり構わず自分だけは生き残ろうっていうのは実は商材の宣伝文句でしかなくて、他者への貢献意識なくてはやっぱり生きていけないと思うんですよね。

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