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異例ずくめの「総裁選」が映す自民党の崖っぷち感 まるで大相撲の巡業並み?長期決戦の舞台裏

東洋経済オンライン / 2024年9月27日 9時30分

しかも、二院制の日本では世界的に見ても多いと言われるほど、頻繁に選挙がある。参院選は3年ごとに半数改選、その間に衆院選も入るし、各種自治体選挙も目白押しだ。

だから、民意は世間が思う以上に反映されている。総裁選は「自分たちに関係ない」という感じがあるのは、国民の1%しかいない、自民党員だけ総裁選における有権者だからだが、自民党自体は3年前の選挙で国民によって「選ばれた」政党だ。

――総裁選では国会議員だけでなく、「党員」も投票しますが、「党員」というのがややブラックボックス感がありますね……。

特に公開する義務もない。4000 円の党費を 2 年間払っている自民党員および党友(政党の外部の支援者)が選挙に参加できるのだが、そういう人たちは普段からメディアにも触れているので、広い意味では国民世論に引っ張られている。今回の総裁選をいろんな人が注目して、それがイコール監視になれば自民党員が"変な選択"をすることもなくなる。

党員は大きく「地方」の党員と「職域」の党員にわかれる。前者は、例えば地方の中小企業の経営者や農家の人などで、地元の市会議員や県会議員を応援しているような人。

後者は自民党を支持する業界団体や〇〇政治連盟などで、その代表例が小規模郵便局の局長で構成される「全国郵便局長会(全特)」。9 月 20 日に小泉進次郎氏が全特の幹部に党員票獲得へ支援を要請したことが報じられたが、それだけの影響力を持っているということだ。

業界団体とか、職域で構成されているので、当然男性比率が高い。それを特殊と見るかどうか。しかし、そういう人も町では生活している。例えば、車工場を経営している自民党員で、選挙になったら集会で応援するという、一般的な地方のオヤジさんがいたとする。でも、その人のお客さんが何党支持とかは関係ないし、当然、色々な人の意見は聞くわけだ。

かつては今の総裁選の仕組みはなかった

――そうするとかなり……

柔軟な人たちではある。経営者は冷静な方も多いので、ノリや勢いだけで投票をしたりはしないだろうと考えられている。そもそも、年間4000円も払うっていうのは世の中に対する意識も高いわけで、しかも郵便投票というのは結構な労力なのでいくつもの「リトマス試験紙」を通って投票するわけだ。

――党員も参加するという総裁選の仕組みは自民党自体が決めたものなのですか?

この仕組みはもともとなかった。自民党ができたのが1955年だが、このときにはない。それまでは国会議員しか投票できなかった。党員が参加するという方式ができたのは1978年で、最初は「予備選」と言っていた。ロッキード事件や政治不信もあって、もっと世論を反映しなければ、という声が上がったことが背景にある。

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