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「石破新政権誕生」で、日本株は停滞しかねない 「日本経済への疑念」は簡単に収まりそうにない

東洋経済オンライン / 2024年9月27日 22時0分

「5度目の正直」で自民党総裁選挙に勝利した石破茂氏。筆者は「石破新政権下」での政策転換を懸念する(写真:ブルームバーグ)

事実上の次期首相を決める自民党総裁選挙が終了した。大手メディアなどの調査では石破茂、高市早苗、小泉進次郎の3氏が有力と言われていたが、決選投票では接戦の末、石破氏が勝利した。

市場の「高市首相期待」が剥落、再び円高へ

「高市首相誕生」への期待が高まった市場では、9月26日時点から株高、円安の動きが始まり、27日にはドル円相場は1ドル=146円台までドル高円安が進んだ。日経平均株価も3万9829円と4万円一歩手前まで急伸。だが、石破首相誕生が報じられると、ドル円相場は一時142円台まで円高が進み、先物市場の日経平均は3万8000円を割りこんだ。

日本株は7月11日にTOPIX(東証株価指数)、日経平均とも最高値を更新したが、同月末の日本銀行による利上げ後に歴史的な急落となった。

9月以降はやや持ち直している格好だが、一方の米国株は9月26日にS&P500種指数が最高値を更新している。良好な外部環境に助けられているにもかかわらず、2024年春先までは非常に好調だった日本株は、米国株と比較してアンダーパフォームしたままである(年初来の騰落率はS&P500種指数が+21.1%、TOPIXは+15.2%。アメリカは9月26日、日本は9月27日時点)。

「石破新首相」の金融財政政策はどうなるのか

日本株が冴えなくなった最大の理由は、やはり為替相場にある。ドル円は一時1ドル=140円を割り込むなど、ほぼ年初と変わらない水準に戻ったことだ。2024年度の経済成長見通しがゼロ%台に下振れる中で、通貨当局による円高誘導介入、日本銀行による利上げという、金融引き締め策が相次ぎ、これらに株式・為替市場がいずれも反応した格好だ。

結局「岸田政権の退陣表明」(8月14日)という政治情勢の混乱に乗じて、引き締め的な経済政策に「前のめり」な政治家や経済官僚の政治力が強まっていたわけで、筆者は、日本経済はかなり危うい状況にあると懸念していた。

ただ、次期政権が揺らぎつつある金融財政政策を立て直し、経済成長を高める政策が強化されれば、日本株は米国株と同様のパフォーマンスに再び追いつても不思議ではなかっただろう。

ここで改めて石破次期首相の金融財政政策に対する見解を、以下で整理しておこう。

財政政策について、石破氏は政策集でも「経済あっての財政との考え方に立ち、デフレ脱却最優先の政策運営を行う」としており、9月25日の記者会見でも「岸田政権の取り組みを引き継ぐ」と述べている。石破氏は推薦人を確保する過程で、経済成長を重視する政治家による政策提案を受け入れたとみられる。

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