そごう・西武が再出発「豪華パーティー」開いた理由 「西武池袋で買い物する理由」を打ち出せるか
東洋経済オンライン / 2024年9月28日 8時0分
フォートレス日本代表の山下氏は「われわれがスポンサーになってから順調に来ており、従業員も前向きになってきた。若手や中堅社員が新しくて斬新な会社に変えていこうという士気にあふれているのが喜ばしいことだ」と現在のそごう・西武を評価した。
西武池袋を盛り返す「気迫」
会場を沸かせたのはLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン・ジャパン社長のノルベール・ルレ氏だ。「私がここにいるのは日本の百貨店が大好きだから。池袋が大好き。でも新宿も、渋谷も、表参道も、日本橋も……」と切り出し、笑いを誘った。
「西武池袋が新しく生まれ変わるという話を聞いて、やっぱり一緒にやりたいと考えた。百貨店がなければ私たちは成功できなかった。だから皆さん、前向きに考えませんか? 日本の百貨店を応援してもらえたら」などとメッセージを送った。
パーティーは華々しく執り行われ、そごう・西武、とくに西武池袋の再出発を関係者に印象づけた。
そごう・西武のオーナー(親会社)の変更にあたっては、売り場面積の大幅な縮小をはじめさまざまな軋轢が生じたものの、会社の転換点となったことは間違いない。経営陣からは攻めの姿勢に転じ、西武池袋を盛り返すという気迫が感じられた。
売り場面積の半減という条件は厳しい壁として立ちはだかるうえ、改装計画に盛り込まれた衣料品売り場の縮小などを「楽観視すべきではない」という業界関係者の向きもある。
しかし、パーティーで積極的に語られたのは「順調さ」や「前向き」といった内容だ。華々しさの裏には、改装計画に対する内外の不安を打ち消す狙いもあったようだ。
リニューアル控える西武池袋の今
西武池袋本店の建物は9月1日からヨドバシHD池袋ビルとして株式会社ヨドバシ建物が管理・運営している。現在、百貨店は、駅改札やパルコからやや距離のある西武池袋本館南側の一部で営業を続けている。
9月中旬に池袋を訪れると、いつもと変わらない人通りの中に違和感のある風景が広がっていた。西武池袋の地下1階部分のシャッターが下ろされているのだ。
地下1階にあった総菜や菓子などのデパ地下売り場は7階の催事場に移動し、「デパナナ」として営業している。そのほか、地下2階には西武食品館、地上1階にエルメスのブティックや化粧品、7~8階で高級アパレル、宝飾時計・美術などの売り場が営業している。
飛び地で本館北側のルイ・ヴィトン(地上1~2階)も変わらず営業しているが、本館南側の2~6階をはじめ、大部分は改装工事のためにクローズされている状態だ。
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