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にしおかすみこ「認知症、ダウン症」家族への思い 「看取りと仕事の両立は?」先のことはわからないまま

東洋経済オンライン / 2024年9月28日 14時0分

家でパソコンの前に座っていても、その後ろでは日々ゴタゴタがあるわけです。母と父がいまだに大きな声でケンカをして、どちらかが私のところに駆け込んできたりもする。

となると、家では書けないので結局意味もなく都心に出てきてカフェとか事務所で作業をすることになる。そうなると、当初の目論見と全く違っていて「結局、普通のお仕事と一緒じゃないか!」と(笑)。そう思い通りにはならないのが現実なんでしょうね。

頭の中がグチャグチャのまま連載を書いている

連載ではほぼ1年前に起こったことを時間差で書いているんですけど、1年前に腹が立っていたことは今も同じ熱で腹が立ちますし、1年前にモヤモヤしていたことは今でもモヤモヤしている。

文字にするといろいろ整理されて「今となっては答えが出ていること」を書くことになるのかなと思っていたんですけど、頭の中がグチャグチャのまま書いている。そんなこともたくさんあります。ただ、連載の1本目から読んでくださっている方もいらっしゃいますし、そうやってこちらに目を向けてくださる方がいらっしゃることに救われています。本当に。

こういった取材をしていただく時にも、よく「家族とは?」と聞いていただいたりもするんですけど、これがずっと答えがなくて……(笑)。

難しいですね。「家族とは●●です」と言い切れるようなワードがあるといいんでしょうけど、なかなか「●●」に当てはまる言葉が見つからない。これも、今の私のリアルな思いです。

ただ、変わらず考えていることは「自分のことが一番大事」ということです。今はまだ私自身が元気だと思っているんですけど、いつでも“逃げる”という選択肢は持っています。まず自分が元気じゃないと誰も幸せにならない。自分がダメになる前に、ダメになるくらいだったら逃げる。明確にわかっているのはこれくらいですね、ごめんなさい(笑)。

家族がこの先どうなるのか。その時に、私がどうなるのか。本当にわからないことだらけなんですけど、先日「こういうことか……」と思うこともありまして。

看取るとなれば自分は仕事が続けられるだろうか?

姉が体調を崩して、姉を病院に連れて行くことになったんですけど、母も一緒に行ったんです。2人を連れて行くこと自体が相当大変なんですけど、もし、姉が入院となったら姉も母もその状況に耐えられないんだなと改めて感じました。

となると、この先どちらかが倒れた時に、家で看病をすることになるのかな。もちろん、どんな病気で、どれだけ命があるのかにもよりますけど、最終的には家で看取ることになるんだろうな。家で看取るとなると、使える福祉サービスを使ったとしても本当に大変だし、その時に、自分は仕事ができるんだろうか。どんな自分になっているんだろうか。

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