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Netflix女子プロ 「極悪女王」独走1位のわかりみ 剛力彩芽が10キロ増量して「ライオネス飛鳥」

東洋経済オンライン / 2024年9月28日 11時0分

レスラー役はすべてオーディションで決めたそうです。主演のゆりやんレトリィバァも長与千種役の唐田えりかとライオネス飛鳥役の剛力彩芽も例外なく、増量やトレーニングを前提とした役作りに自ら志願して挑んでいます。ゆりやんレトリィバァはこの役のために体重を40キロ増やし、剛力は10キロ増量したとか。ハリウッド映画のような話です。

長与千種もダンプ松本も本人が指導

現在女子プロレス団体Marvelous(マーベラス)を率いる長与千種本人が役者陣にプロレスを指導し、撮影時も深く関わって作られてもいます。役者たちは長与から直接「あのときはこういう思いだった」「みんなもこう思っていたと思う」という話を聞き、理解を深めていったのです。Netflix公式インタビューではダンプ松本本人も撮影現場に足を運んでいたことも明かされています。ゆりやんレトリィバァに「怖くやるんだよー、遠慮しちゃダメだよー」などと声をかけながら、ダンプ松本を象徴するアイテムのひとつにある竹刀の振り方を事細かく伝授する徹底ぶりです。

過去最大級という延べ2万4145人のエキストラが試合会場などの熱狂を作り出し、衣装や髪型に至るまで再現性へのこだわりは十分。ですが、それだけではありません。今なぜ女子プロレスのヒール役を主役にした作品を届けるべきなのかということまで掘り下げられています。これこそこの作品の価値を高めていると思います。

通称「全女」、全日本女子プロレスを創業した松永兄弟を男社会の象徴として描き、プライドやロマンに固執する男たちの姿を村上淳、黒田大輔、斎藤工らがわかりやすく演じています。そんな彼らに対して、レスラーの彼女たちは「男どもの言いなりになってたまるもんか」と言わんばかり。この反骨精神が自分たちのスタイルを導き、ダンプ松本が生まれたのです。

「極悪同盟は世の中の罵詈雑言を食って生きていくんだよ!」というゆりやんレトリィバァのせりふからは覚悟すら感じます。現実世界でも誹謗中傷の声を受けてきた役者が揃っているのも絶妙です。

鈴木おさむが企画からプロデュース、脚本まで手掛けた作品であることを知ると、世間の興味の引き出し方がうまいことに納得します。また狂気さのリアルが半端ない映画『凶悪』を代表作に持つ白石和彌が総監督を務めていますから、ガチ度の高い試合シーンが作られたことにも納得できます。

海外でランクイン、まだ1カ国

9月19日から世界独占配信開始されて以降、「極悪女王」はNetflix公式ランキングの国内1位を独占しています。ドラマ「地面師たち」の話題のピークを越えたあたりに投入されたタイミングも味方につけています。「極悪女王」も「地面師たち」も実は同じプロデューサーが担当しています。しかも世界的にも好成績を残した映画「シティーハンター」まで。立て続けにヒット作を生み出しているNetflix高橋信一エグゼクティブプロデューサーの手腕が発揮された作品でもあります。

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