「寿司とインド」が双日のリテール事業を左右する 「世界最大の寿司市場」アメリカでは矢継ぎ早に手
東洋経済オンライン / 2024年9月29日 8時0分
寿司ネタ製品の取り扱いで世界ナンバーワンの水産企業グループへ――。
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そんな目標を消費者向けのリテール・コンシューマーサービス事業で掲げているのは、総合商社の双日だ。今年に入ってアメリカで矢継ぎ早に勝負手を打っている。
食品スーパーなどに水産加工食品を提供している双日子会社のマリンフーズは1月、オレゴン州で寿司ネタを中心とする現地水産物卸会社を設立。3月には「ロイヤルホスト」などを展開するロイヤルホールディングス、回転寿司チェーンの銚子丸と、カリフォルニア州で合弁会社を立ち上げた。7月にはテイクアウト寿司事業をアメリカ企業から買収したと発表した。
アメリカの寿司市場は日本の1.6倍
「アメリカは今、小中学校の食堂にも寿司カウンターがあるのが当たり前になっている。寿司市場の規模は日本の1.6~1.7倍ある。その市場をしっかり捉えていきたい」
双日のリテール・コンシューマーサービス本部長を務める村井宏人常務は意気込みを語る。アメリカの寿司市場は高級レストランが中心だったが、今は一般化している。市場規模は約185億ドル(約2.7兆円)。世界最大の寿司市場だ。
3月に立ち上げた合弁会社SUSHI-TEN USAの出資比率はロイヤル34%、銚子丸33%、双日33%。「回らない寿司レストラン」を多店舗展開し、客単価50~100ドルのマスプレミアム層を狙う。
7月に買収を発表したのは、アメリカ中西部を中心とするスーパー300店舗以上にテイクアウト寿司コーナーを出店しているスシ・アベニュー社の事業だ。数十億円規模の投資となった。定番のマグロやサーモンといったネタの提供のほか、カニカマなどの新商品の開発も進めていくという。
「われわれの強みはBtoBtoC。C(最終消費者)を見据えながらBtoB(企業間取引)のバリューチェーンの中でしっかり稼ぐ。Cの目線を入れながらビジネスの主導権を取っていく」と村井本部長は話す。
双日は近年、水産事業で集中的にM&Aを繰り返し、川下に当たる販売力を強化してきた。
1月にオレゴン州で現地法人を立ち上げたマリンフーズは、2022年に日本ハムから買収した企業だ(公表された企業価値は約265億円)。日本のうにの主要輸入先はロシアとチリの2カ国。マリンフーズはチリ産うに製品で国内シェア1位だ。
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