「太ってないのに糖尿病」の人に足りない栄養素 「健康診断の数値」が正常でも安心できない
東洋経済オンライン / 2024年9月30日 15時0分
病院で糖尿病と診断され、通院して治療をするも、なかなか良くならない。こういう人は大勢います。考えられる理由はおもに3つです。
まず、患者さんの体質的、あるいは症状の進行状況的に、現代の医学・医療技術では対処できない場合。続いて、患者さんが医師の指導(服薬の量や頻度を含む)をしっかり守っていない場合。そして、医療機関が適切な治療・指導を行っていない場合。
だいたいどれかに当てはまるのですが、ここでは3番目について、少し掘り下げて考えていきたいと思います。
糖尿病を治すためには、根本の原因にアプローチする必要があります。2型糖尿病の場合は、糖質の過剰摂取がもたらす高血糖です。これは食事や生活習慣などを見直すことによって改善されていきます。
しかし、現在の糖尿病治療は、ブドウ糖と結合して糖化するヘモグロビンの割合を示す「ヘモグロビンA1c」の数値を下げることに重きを置く風潮にあります。メインになるのは、薬に頼った治療です。
薬を飲めば、ヘモグロビンA1cも血糖値も下がるのですが、元の原因を解決できておらず、長期的に見て糖尿病の症状が劇的に良くなることはありません。投薬よりも食事指導に力を入れている医療機関においても、栄養素のバランスを考慮しつつ、カロリー制限を課すケースが多く見受けられます。ですが、じつはカロリーは血糖値に影響しないことがわかっていますので、糖質を気にしない限り、糖尿病は良くなりません。
だから、「医学のプロだから安心」と、決して思わないようにしてください。薬中心の治療、カロリー制限の食事を勧めてくる病院は、疑ってかかりましょう。
矢野 宏行:医学博士、糖尿病専門医
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