家族でヒヨコを育て、時には「丸焼き」にする生活 住宅街にある自宅の庭を活用してヒヨコを飼育
東洋経済オンライン / 2024年9月30日 16時0分
卵からニワトリを育て、その卵、肉をいただく暮らしは、そうやすやすと誰でもできることではありません。イラストレーターの服部小雪さん一家は、12年前、サバイバル登山家として知られる夫・服部文祥さんのアイデアで、自宅でまずはヒヨコを育て始めました。自らいきものを育て、そして自らその命をいただくまでの日々を、服部小雪著『はっとりさんちの野性な毎日』から抜粋して、紹介します。
我が家にヒヨコがやってきた
2012年、文祥はいつもの野性的カンで、自宅の庭の斜面をニワトリ飼育に利用しようと考えた。鹿の雑肉もニワトリの良いタンパク源になるはずだと言う。まずは子供たちの教育だと思ったのか、父から子へ『ニワトリの絵本』(農文協) など、数冊の本が手渡された。
「オレ、ニワトリ係になる!」。シナリオ通りに玄次郎が言うと「シュウも~」と末の娘が言いだした。祥太郎は生き物が嫌いというわけではないが、自分からは煩わしいことに関わろうとせず、ゴタゴタを遠くから見ている。
まもなくヒヨコを仕入れる、という早い展開に、ついニワトリの本を夢中で読んでいた私は我に返った。近所迷惑では、とか鳥インフルの問題は、など思いつくかぎりの心配事を挙げてみたが、文祥は、飼えなかったら、俺が責任を取る、と言う。鶏の丸焼きを思い浮かべて、フクザツな気持ちになった。
今やヒヨコもネットで注文する時代である。売れ残っていたロードアイランドレッドという赤褐色のニワトリを選んだ。ロードアイランドは、アメリカで採卵用に品種改良されたニワトリだという。メスのヒナが5羽セットで3千円。希望すれば、オスがサービスで1羽ついてくる(もちろん文祥はオス付きで注文した)。
生き物は宅配では届けてもらえず、自分で運送会社に受け取りに行くシステムになっている。買ったものは自力で運ぶ。運べないものはなるべく買わない、というのが服部家のモットーだ。いつものように、父と子が自転車で出発した。
我が家にヒヨコたちが到着した。段ボールの中から、ヒヨコたちがピィピィと鳴きながら動き回っている音がする。
生後1週間のヒヨコはまだ体温調節がうまくできないので、湯たんぽを入れたダンボール箱の中で飼う。ダンボールの下には、服部家では禁断の電気カーペットまで敷かれ、そこだけポッカポカ。ヒヨコたちは、服部家のしもやけの子供たちよりも手厚くもてなされた。
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