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「あの居酒屋の売上は?」で"人材の質"見抜ける訳 「フェルミ推定は無意味」に対する数学的な反論

東洋経済オンライン / 2024年10月1日 11時0分

「フェルミ推定」を取り上げ、その回答から成果を出す人かどうかを判断できる理由を解説する(写真:jessie/PIXTA)

「数字に弱く、論理的に考えられない」

「何が言いたいのかわからないと言われてしまう」

「魅力的なプレゼンができない」

これらすべての悩みを解決し、2万人の「どんな時でも成果を出せるビジネスパーソン」を育てた実績を持つビジネス数学の第一人者、深沢真太郎氏が、生産性・評価・信頼のすべてを最短距離で爆増させる技術を徹底的に解説した、深沢氏の集大成とも言える書籍、『「数学的」な仕事術大全』を上梓した。

今回は「フェルミ推定」を取り上げ、その回答から成果を出す人かどうかを判断できる理由を解説する。

「フェルミ推定は意味がない」は本当か

突然ですが、最近飲みに行ったときのことを思い出してみてください。お酒を飲まれない方は、食事に行ったときのことで構いません。思い出せましたか?

【写真】仕事ができる人はみな、数学的だった

では、そのお店の「1日の売上」を推定してみてください。

いかがでしょうか。ざっくりと答えを導けた方もいれば、どう考えればいいかわからなかった方もいらっしゃるでしょう。

この手の問いに答える方法を、「フェルミ推定」と呼びます。フェルミ推定を使えば、「日本にコンビニエンスストアはいくつある?」「日本の◯◯市場規模はどれくらい?」「まさにいま山手線を走っている電車の本数は何本くらい?」といった問いにも答えることができます。

私は人材育成の専門家として、数字に強いロジカルパーソンを育成するビジネス数学を提唱しています。仕事柄、ビジネススキル向上を目的とした企業研修に多く登壇しますが、中でも企業側から希望の多いテーマが、じつは「フェルミ推定」なのです。

近年その知名度があがってきたこともあり、「フェルミ推定は意味がない」といった類の意見を目にすることもあります。しかし、私の意見はその反対です。フェルミ推定の問題への回答によって、回答者が「成果を出す人」かどうかが、はっきりとわかってしまうと私は考えています。

そもそも、なぜ企業はフェルミ推定の研修を求めるのでしょうか。研修担当者にその理由を尋ねると、「社員の思考力を強化したい」といった答えが返ってきます。しかしこれらを掘り下げると、要するに「もっと頭がいい従業員が増えてほしい」という本音が出てきます。

さらに深掘りすると、「大きな声では言えないが、けっきょく頭のよさが業績に直結している」という第2の本音を教えてくれます。

細部は捨てて、大枠を捉える

この第2の本音は、企業が採用面接でフェルミ推定を使いたがる理由の説明にもなっています。

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