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百田尚樹「鳥取ディスりで炎上」がダメージない訳 鳥取県出身の筆者が"炎上発言"に言いたいこと

東洋経済オンライン / 2024年10月1日 16時0分

企業の経営者であれば、さまざまなステークホルダーに対する説明責任が求められるため、不適切な行動は改めなければならないし、改められなければ、辞任に追い込まれてしまいかねない。

しかし、政治家は、有権者から支持が得られれば、職を失うこともないし、たとえ失っても、支持さえ得られれば再選が可能である。百田氏のもう一つの職業である、作家業も同様で、書籍が出版でき、読者が得られ続けていれば、仕事を失うこともない。

元兵庫県知事の斎藤元彦氏は、パワハラ疑惑や独裁的な県政運営が問題視されたが、辞任はせず、兵庫県議会から不信任決議を受けて失職に至った。斎藤氏は、出直し選挙に挑む意向を表明している。

はたから見ると、斎藤氏は強権的で往生際が悪いように見えるのだが、政治家という特殊な職業の枠内においては、合理的な行動を取っていると見ることもできる。

百田氏に関しては、彼がどのような行動を取ったところで、離れない支持者が一定数いる。百田氏が物議を醸すような言動をとるからこそ、支持をしている人たちもいるだろう。不適切な言動に対して、心から反省して謝罪をすることで、支持者が喜ぶかといえば、そうとも言えない。

熱狂的な支持者が仇となる

百田氏は、動画の中で正確な数字は挙げなかったが、鳥取県の人口は、約54万人である。しかも、徐々に減少している。

百田氏のYouTubeチャンネル「百田尚樹チャンネル」の登録者数は46.6万人、Xアカウントのフォロワーは65.3万人である。まさに、鳥取県の人口とほぼ同レベルのフォロワー数がある。

そのうちのどれくらいが、百田氏、あるいは日本保守党の支持者なのかはよくわからない。ただ、百田氏が今後もこのような言動を続ければ、支持者の数は減少し、熱狂的な支持者だけが残っていくだろう。

アメリカでは泡沫候補だったトランプが多数派を形成し、大統領に就任するまでに至ったが、日本はアメリカほどには政治的な分断は起こっていないし、政敵を手厳しく批判することに対して、寛容でもない。

百田氏は、高市氏を支持していたが、下手をすると百田氏や、彼の支持者の応援が「ほめ殺し」になってしまう可能性もある。熱狂的な支持者がいることは、諸刃の剣でもある。

添田氏の一件もそうなのだが、本来なら連携すべき保守派同士の亀裂を生んでしまっており、誰も得をしていない。

鳥取の話題に戻ろう。百田氏の今回の一件の直前に、鳥取がらみで“炎上”が起きていた。

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