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「罰ゲーム化する管理職」にZ世代は何を思うのか 脱ブラックが進む職場でブラックに働く管理職

東洋経済オンライン / 2024年10月2日 12時0分

田川:質問への正確な答えではないんですけど、「これがラインを超えた扱いになるのか」とびっくりしたことがありました。高校1年生の弟が通っている学校で、居眠りしている生徒の机を先生が蹴ったそうです。それがすごく問題になって、親からも先生にクレームの電話が入ったそうで。正直僕としては、そんなことで騒ぐか、と思ったんですが、弟も「ありえなくない?」という言い方で、すごくギャップを感じました。

舟津:そうか。新社会人の田川さんと高1の弟さんの間にすら、もうギャップがあるんですね。

田川:全然違うと思いますね。

舟津:私も本の中で、怒られない社会になると怒られることへの耐性がなくなってしまうということを書いたんですが、それがますます進んでいる印象を受けますね。木下さんはいかがですか。

木下:私もハラスメントの場面を目撃したことはないんですけど、田川さんと同じように「それで大騒ぎになるの!?」ってびっくりしたことがあって。

中学生時代の話で、私にとって当時所属していたバスケ部の先生はすごく厳しい人で。作戦板を投げたりすることもありました。ただ、私が卒業してから数年後になぜか坊主にしてるっていう噂が流れて、なんでだろうと思ったら、親から「厳しすぎる」と言われて、反省の意を示すために坊主にしたそうです。私が言うのもなんですけど、そんな環境で大人になったらどうなっちゃうのかなって思っちゃいますね。

田川:そんな子たちが部下として入ってきたら、難しくないですか(笑)。

木下:たしかにそうですね(笑)。

田川:僕ら世代を部下に持つ今の上司も難しいだろうなって思いますが、それ以上にその子たちの先輩になったときにはもっと難しいんだろうなって思いますね。

舟津:それいい目線ですね。早くも自分が上司や先輩になったときに、怖いなと実はZ世代も思っていると(皆、笑)。崎山さんはいかがですか。

崎山:そうですね。僕は今の会社でハラスメントは一切ないです。最後にハラスメントとされるものを見たとしたら、10年前の野球部に所属していた中学時代のことで。当時の顧問はやっぱり厳しかったので、ミスすると胸ぐらを掴んだり、手が出るって場面もありました。でも、今もたまに中学校のグラウンドを見に行くことがありますが、今は全然そんなことなさそうですね。少なくとも自分たちと同じ指導はされてないとは思います。

舟津:なるほどね。話を聞いている限りは、保護者さんが介入しているのがポイントのように思います。鳥羽さんとの対談でも出た話で、はっきり言って子どもってすごく動物的なんですよね。好き放題するので、旧来的には動物的な対応で解決していた。つまり、教育現場の先生って、あえて子どもと同じレベルに落として、子どもの対応で接するのが最善だったんですよ。動物的な子どもたちに対して100%の大人の対応をするのって、おそらく無理なので。でも、保護者さんが間に入ると、子どもに対して大人のコミュニケーションしか取れなくなってしまう。そうなると、必然的にみなさんのお話のような変化が起きますね。

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