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「罰ゲーム化する管理職」にZ世代は何を思うのか 脱ブラックが進む職場でブラックに働く管理職

東洋経済オンライン / 2024年10月2日 12時0分

それで、今のお話につなげて深掘りたいのですが、みなさん管理職になりたいと思いますか。いまや「罰ゲーム化する管理職」と言われることもありますが、上司や先輩を見てどう感じていますか。

「罰ゲーム化する管理職」に思うこと

田川:管理職なりてえ、とは思わないですね(笑)。やっぱり、われわれよりも怒られない環境で育ってきた子たちをまとめるのは苦労するだろうなと思います。それに、管理職の方たちを見ていると夜の11時とかでも平気でメールが返ってくるので、大変だろうなと。

舟津:たしかに、それは社会人あるあるかもしれないね。すごい時間にメールが返ってくることありますから。崎山さんは、どうですか。

崎山:本心はちょっとやってみたい気持ちはあります。上司を見ていると、人の面倒を見たり、タスクを管理したり、全体を俯瞰して見る力がすごくあって、そこがかっこいいなと思います。だから、挑戦してみたいなという気持ちが半分。もう半分はやっぱり大変そうだなとも思って、そこには葛藤がありますね。

舟津:管理職へのネガティブな印象として、「大変そう」が上位にくるんですね。

崎山:そうですね。上と下の板挟みみたいな。

木下:私も管理職になるのは嫌だなと思いますけど、一番の理由は責任を負いたくないからですね。それこそ机を蹴ったら一発退場じゃないですけど、管理職の責任が大きすぎるように思っています。できれば、陰で働くのがいいです。

舟津:なるほど。でも、責任は大事なワードですね。全体的な時代の流れとしては「責任を負いたくない」っていう人は増えている気がしていて。その理由の1つはおっしゃるように、責任が大きすぎる。正確には、責任に対して対価が見合ってないんですよね。だったら、陰がいいっていうのは自然な発想に思います。

ブラック企業は消えたように見えるだけ

田川:入社前と入社後のギャップで言ったら、そこが一番大きなギャップかもしれません。世の中的にはブラック企業を排除する風潮はありますけど、実際に働いている人は余裕で定時を超えて働いていて。ブラックってなくなったわけじゃなかったんだなって。

舟津:あ、そうなんですよ。これもよくある話で、管理職は雇っている側扱いなので、労働組合に加入できない(しない)ケースもあります。「罰ゲーム化する管理職」の背景には、組合員の部下は守るけど、管理職は働かせ放題だ、という慣習があるとも思います。さまざまな意味で誤りを含む慣習だと思いますが。

田川さんのいい表現だなって思ったのは、いかにも世の中からブラック企業は消えましたよ、みたいな顔をしつつ、無茶している人はいるじゃないかと。しかも、それはまさに管理職じゃないかということに、4月から働いている人が薄々気づいてしまっている。これがまさに「Z世代化する社会」の背景だなと思いますね。

では、次回はSNSと友だちとの付き合い方について伺っていけたらと思います。

(10月3日公開の第2回に続く) 

舟津 昌平:経営学者、東京大学大学院経済学研究科講師

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