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「106万円の壁」と「130万円の壁」はどちらを優先? パートタイマーが社会保険料の天引きを避けるポイント

東洋経済オンライン / 2024年10月2日 8時0分

社会保険の加入を避けたいという人の中には、夫が会社員や公務員で、妻がその扶養に入ってパート・アルバイトをしているようなケースもよくあります。

ここで注意したいのが、社会保険の加入要件と、扶養に入れるかどうかの要件は違うことです。

社会保険の加入要件は収入面でいうと年収106万円相当が基準になります。一方、扶養に入れる家族(扶養家族)の収入要件は年収130万円までとされています(「年収130万円の壁」とも呼ばれます)。

会社員や公務員の配偶者は、配偶者自身の年収が130万円未満であれば社会保険の扶養に入ることができます。扶養に入っていると、自身で保険料を負担することなく健康保険に加入でき、老後には国民年金部分の老齢基礎年金を受け取れます。

ですから扶養に入りながらパートをする人は稼ぎすぎて扶養から外れることがないよう、「年収130万円の壁」を気にするケースがあります。

しかし、扶養家族のパート・アルバイト先の従業員数が51人以上で、労働時間などの要件にも該当すれば、「130万円の壁」よりも「106万円の壁」が優先されます。たとえ年収が130万円未満でも、パート・アルバイト先で社会保険に加入し、扶養からは抜けなければなりません。

なお「106万円の壁」と「130万円の壁」では、収入要件の判定に含まれる収入の範囲が異なることも要注意です。

社会保険の加入要件で基準となる収入は、前述のように所定内賃金で、残業代や通勤手当、ボーナスなどは含まれません。

一方、扶養家族の認定では継続的に得られる収入が幅広く含まれます。詳細な判断基準は企業や個別のケースによって異なりますが、給与のほかボーナス、通勤手当、不動産賃貸収入、年金、株式の配当や預貯金の利子、雇用保険の失業給付や育児休業給付金、出産手当金なども収入としてカウントされ、年収130万円未満であるかを判定するのが一般的です(退職一時金、出産一時金、遺産相続、不動産の売却益など、継続性のない収入は含まれないことが多いようです)。

収入の判定方法も違う

また、収入の判定方法も異なります。社会保険加入は、パート・アルバイト先が雇用契約書などから所定労働時間や所定内賃金を確認し、要件に該当する従業員に加入を呼びかけることが多いようです。

これに対して、扶養家族になるには配偶者の勤務先の認定を受けるために、自分で収入額を証明する必要があります。扶養に入るための認定では今後1年間の見込み年収を申告しますが、その根拠資料として、過去の給与明細や課税証明書などを添付するのが一般的です。

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