ビズリーチ"あの大企業社長"出演CMで訴える本気 「年収1000万円超」ハイクラス転職が増えた背景
東洋経済オンライン / 2024年10月2日 8時0分
「ビズリーーチ!」
【写真】オフィス街の地下鉄駅ホームに貼られた、ビズリーチ「社長の本気」シリーズのCMポスター
カメラ目線で人差し指を立てる、“ビズリーチ姉さん”のCMで知られるビズリーチ。ハイクラス人材向けの転職サイトを展開し、即戦力人材と企業をつなぐプラットフォームを運営する。
最新のCMとして「社長の本気篇」を放映中だ。アサヒグループ、JFEスチール、第一生命、NEC、野村ホールディングスといった名だたる大企業の社長がCMに出演し、「中途採用に本気」というメッセージを訴える。これら企業はビズリーチのクライアントで、サイト上に掲載された求人情報の中には「年収1000万円超え」がズラリと並ぶ。
ビズリーチを運営するビジョナルの末藤梨紗子CFOは、このCMについて「求職者からは『こういった会社の仕事があるのか』という反応、企業側からは『こうした会社が使っているのか』とお問い合わせをいただくという形で、反響を多くいただいている。日本企業は大手を含めて中途採用に積極的に取り組もうとする機運がある」と手応えを語る。
スカウト可能会員数は258万人
CMの反響を裏付けるように、ビジョナルの業績も好調だ。9月12日に発表した前2024年7月期は、売上高が661.4億円(前期比17.5%増)、営業利益が178.3億円(同34.9%増)と大幅な増収増益で着地した。収益の大部分を占めるHR Techのビズリーチ事業が牽引役となっている。
ビズリーチのビジネスモデルはプラットフォームであり、直接の人材紹介は行っていない。採用企業や求人情報を保有するヘッドハンターからのスカウトメールに対し、求職者が応募するダイレクトリクルーティングサイトとなっている。
管理職、グローバル人材、専門職といったスカウト可能会員数は258万人以上、採用企業は3万1700社、ヘッドハンターは7800人(すべて2024年7月末現在)に上る。やり取りは求職者と企業、ヘッドハンターの間で完結する。
ビズリーチの収益源は、企業とヘッドハンターからのプラットフォーム利用料、採用に至った場合の成功報酬、全機能が使える有料プランに登録している求職者からの月額利用料となっている。
雇用の流動化やジョブ型雇用の導入などを背景に、中途採用におけるハイクラス人材の需要は堅調に伸びている。高度専門人材を求める動きは活発で、2023年は年収1000万円以上の転職決定者数は3年前と比べ3.2倍、年収1000万円以上の求人は2.8倍に増えた(いずれもビズリーチでの数、決定者数はヘッドハンター経由での転職は除く)。
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