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ゲーム業界で存在感を増す"懐かしさ"という価値 リメイク旋風とゲーミング環境の進化が示すこと

東洋経済オンライン / 2024年10月2日 10時0分

東京ゲームショウ2024のメインアート(筆者撮影)

東京ゲームショウといえば、ゲーム業界の最先端が集うイベントである。2024年9月26日~29日に開催された今年もまた新しいゲームによる大きな盛り上がりを見せた。

【写真で見る】海浜幕張駅に貼られていたリメイク版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の広告

カプコンの『モンスターハンターワイルズ』は試遊台が150台(過去最大規模)もあるそうだし、セガの『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』 にもたくさんの人が詰めかけていた。あるいはサウジアラビアの王子が視察に来たりと、海外からの出展社も多い。

このように、確かに「ゲームの未来」を垣間見られるイベントになっているのだが、もうひとつ存在感を放つ要素があった。それは「ノスタルジー」ではないか。

有名メーカーの目玉はほぼ“懐かしタイトル”

人気ゲームメーカーであるスクウェア・エニックスの今年の目玉は、『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』と『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』だった。これはどちらもリメイク作品である。

11月に発売が迫った『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』に関しては、海浜幕張駅のホームへ向かう階段にたくさん広告を出していた。その懐かしさに思わず目を奪われた人も少なくないはずである。

そして、コナミのブースで目立っていたのは、『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』と『SILENT HILL 2』であり、これらもリメイクである。つまり、東京ゲームショウの目玉タイトルがノスタルジーに訴えるものになっているのだ。

リメイク作品が目玉になった理由はいくつか考えられる。映画でもしばしばリメイクが行われるように、ゲームも文化が成熟した結果として再び過去の作品にスポットライトが当てられているのだろう。

日本の人口は50代あたりが最も多いわけで、そのあたりのボリュームゾーンを狙うとなるとリメイクは最適だ。実際、「新しいゲームにはついていけないが、古いゲームを再び遊びたい」という意見はよく聞く。

リメイク作品は完全新作を出すよりもリスクが少ないと考えられるし、多言語対応により新たな地域での販売も見込める。リメイクがヒットしたら新たなシリーズ展開につながる可能性もあり、さまざまな面でメリットがあるといえよう。

単なるゲーム好きとしても、「あの名作がリメイク!」と言われたらとりあえず遊ばないわけにはいかない。常に最新技術で新しいものが生まれるゲーム業界においてノスタルジーは後ろ向きな印象を拭えないが、東京ゲームショウ全体では新作タイトルも多数展示されていたことを考えれば、むしろゲームの遊び方の選択肢が増えたといえよう。

「ゲームを遊ぶ環境」にお金をかけるケースも増加

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