マクドナルドの強さ生む「ハンバーガー大学」の志 マニュアルはあくまでも「指針」に過ぎない
東洋経済オンライン / 2024年10月3日 17時0分
現在、アメリカには1万2000店舗ほどのマクドナルドのドライブスルーが存在していますが、それらの土地・建物はすべてアメリカのマクドナルド本社が所有しています。
アメリカ本社の場合は、80~90%の店舗がフランチャイジーによる運営で、残りが直営店舗というところまで、フランチャイジーの比率が上がってきています。
そのため、アメリカ本社の売上の大部分を握っているフランチャイジーが、本社の指示をあまり聞かなかったり、いつ行ってもマクドナルドの理念とはほど遠い不潔な店舗を運営していたりした場合、売上が急減してしまうことになります。
そこで、アメリカ本社はこう考えました。フランチャイジーが運営する店舗の土地・建物は、本社がすべて所有してフランチャイジーに貸すことにし、何か問題があればすぐにキックアウトして別のフランチャイジーと契約を結べるようにすればいい、と。
このようなわけで、マクドナルド本社は無数の不動産を所有しており、それをフランチャイジーに貸すという業態を取っているため、NYダウには「不動産業」として登録されているのです。
このマクドナルドのやり方は実によく考えられていて、店舗オーナーに土地を借りさせたり、所有させたりする日本流のやり方とは一線を画していると思います。ちなみに、私が勤めていた日本マクドナルドでは、日本の土地・建物がアメリカに比べて高いため、アメリカ本社とは少し違う方式を採りました。
まず、日本マクドナルドが土地のオーナーと賃貸借契約をします。そして、土地のオーナーはその保証金で建物を建て、その建物を日本マクドナルドに貸します。さらに、その建物を日本マクドナルドがフランチャイジーにサブリースするという方式なのです。
これなら、アメリカ本社と同じくフランチャイジーに問題があったらすぐにキックアウトすることができます。
この本社が不動産を握るというフランチャイズ経営こそが、マクドナルドの強みだったのです。
「教育の徹底」こそが、マクドナルドの強み
フランチャイズ・ビジネスを世界規模で展開し成功したマクドナルドの強みは、その独自のフランチャイズ運営方法にとどまりません。
フランチャイジーを増やし、なおかつどの店舗においても同じクオリティのサービス・商品を提供するために欠かせないものがあります。それは、マニュアルです。マクドナルドと言えばマニュアルを思い浮かべる人も多いのではないかと思いますが、それくらいマクドナルドでは徹底したマニュアル教育を行っているのです。
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