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マクドナルドの強さ生む「ハンバーガー大学」の志 マニュアルはあくまでも「指針」に過ぎない

東洋経済オンライン / 2024年10月3日 17時0分

マクドナルドのマニュアルでは、すべてのメニュー製造と提供過程が8つのポジションに細分化され、製造業務・清掃業務・サービス業務に至るまで約2万5000にも及ぶ項目が記されています。

このマニュアルはCDP(クルー・ディベロップメント・プログラム=クルーの教育計画)と呼ばれ、分厚い完璧な内容のマニュアルになっています。現在では、デジタルCDPという、タブレット端末を使ってクルーを教育するツールも使われています。

私が日本マクドナルドに入社した当時、日本マクドナルドにもすでに詳細なオペレーションマニュアルが存在しており、それに従って教育を受けました。

入社して1週間ほどは、当時代々木にあったオリンピック村の施設で集合研修を受け、その後は御茶の水にあったマクドナルドの教育機関「ハンバーガー大学」(のちに詳しく説明します)で、BOC(ベーシック・オペレーション・コース)を勉強しました。その後は、店舗での研修を受けました。

ちなみに、あなたは「オペレーション」という言葉の意味を正しく理解していますか?

オペレーションとは、きちんとしたマニュアルが存在している状況で、そのマニュアルの内容を100%遂行することができる運営能力のことを言います。

完璧なマニュアルと、それを実行するオペレーション。この両輪ががっちりと嚙み合うことで、マクドナルドではどの店舗においても同じ高品質のサービスと商品をお客様に提供することができるのです。

多くの方は、マクドナルドの分厚い完璧なマニュアルを見たことがないでしょうから、あまりピンとこないかもしれませんが、はっきり言ってあのような精緻なマニュアルは日本人には作れないと思います。

なぜなら、日本人は「ゼロからイチを生み出す」のが苦手だからです。マニュアルと聞くと、単なる手順書だろうと軽く見ている人も多いかもしれませんが、マクドナルドの店舗運営における混乱をなくし、誰もが完璧なオペレーションができるようなマニュアルを作れと言われたら、それがどれほど大変な作業になるか、想像できるでしょうか。

マクドナルド本社では、マニュアルを作るための専用の研究所(ラボ)があるくらいなのです。そのラボで実際の店舗と同じサイズの店舗を作って、どの動き方、どの動線が最も効率的かを、あらゆる角度から動画を撮影して、それを検証するという方法で日々研究しているのです。

効率性を追求するために、マクドナルドはそこまでやるのです。

マニュアルはあくまでも「指針」に過ぎない

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