1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

北海道北見「Uターン起業」した彼の"仕事と休み" 道東エリア「いる人たち」で創る余暇の楽しみ

東洋経済オンライン / 2024年10月4日 11時0分

歴史的には、北海道の人々は、夏は狩りをして、冬は食料を仕込んで発酵させたり、儀式のための造形物をつくったりして過ごしていました。閉ざされて人に会えない冬だからこそ、誰かを思って何かをつくるという文化があったのです。

『休養学』には、創作活動など1つのことに集中すると、「心理的休養」になるとありますので、冬の物づくりは理にかなっていたのかもしれませんね。

冬に、働く時間が制限されてしまうことについて、僕は、もう少し工夫する余力があると考えています。

あるバイオベンチャーで研究職や教育職として働いてきた方が、移住をして新規就農されました。しかし、農業は夏だけで、冬はアルバイトをされていることも多いです。すごいスキルを持っているのに、それを生かせないのです。

そういう余ってしまった個人のリソースを、必要なところにうまくONして、地域と関わるきっかけや、充実につながるライフワークとして、能力が活かせるマッチングができればと思っています。

人口が減っていく中、いる人たちで何とかしなければいけませんので、「掛け合わせの妙」のようなものを起こしていきたいです。

余っているリソースで地域を豊かにする

とくに、道路工事や建設の現場では慢性的な人手不足に陥っています。

もちろん例外もありますが、公共の自治体の仕事にあたっている方々に過重労働をさせないよう、ルールを徹底するよう国や北海道から厳しく言われています。

そういう点では、割と雇用者は守られていますが、夕方の5〜6時で早く仕事が終わってしまうんですね。

そこで、アフターファイブの時間で、たとえば誰でも1日店主が体験できる「日替わりスナック」のような場所を作れば、町の活性化にもつながるし住んでいる人の活力にもなります。

仕事のあとに、家でネットフリックスを観て「面白い」と感じるのと、1日店主をして「面白い」と感じるのとでは、楽しさの種類が違います。

後者は、ある人から見れば「労働」かもしれませんが、1日店主を体験した人にとっては、誰かと会話して非日常を楽しんだ時間であり、お店のスタッフとして立っていることが楽しいわけです。

飲食店がそう多くない所にこういう場を作ることで、町の賑わいにもなります。

人口が少ない地域だからこそ、1人の人がちょっと動くだけでイベントができたり、周りの人を楽しませたり、ちょっと動くと起きるインパクトが都市よりも大きいと思います。

1人ひとりが持っているリソースを有効なところに投下して、道東に住む人たちの自由に使える時間、余暇の時間をもっと豊かにしていきたいと思っています。

(構成:泉美木蘭)

中西 拓郎:一般社団法人ドット道東 代表理事

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください