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熟年離婚で陥る「老後破綻」の知られざるリスク 制度改正された「年金分割」にも注意が必要

東洋経済オンライン / 2024年10月4日 7時0分

つまり、配偶者が自営業者やフリーランスで、国民年金(基礎年金)にしか加入していなかった場合は、年金分割を請求することはできません。

②当然ながら「遺族年金」については、離婚したら配偶者ではなくなるため、原則として元配偶者の遺族年金は受け取ることができません。

③ちなみに、確定拠出年金や個人年金保険など、公的年金に上乗せする形で加入している私的年金については、年金分割の対象ではないということにも注意が必要です(後述の「財産分与」の対象になる可能性はあります)。

このように、全ての年金が半分受け取れるというわけではありません。年金事務所で実際に自分がどのくらい年金を受け取れるのか(あるいは、減らされるのか)確認することができますので、まずは相談してみるのがおすすめです。

貯金や保険は分けることが可能

Q2:夫婦で貯めた貯金や保険は、離婚するとどうなるのでしょうか?

「財産分与」により夫婦で公平に分けることができます。財産分与は、夫婦が結婚している間に協力して築いた「共有財産」を離婚の際、原則として2分の1ずつ分けることができる制度です。

夫婦の共有財産は、名義にかかわらず財産分与の対象となりますので、預貯金だけでなく、購入した自宅や、まだ支給されていない退職金、解約返戻金のある積み立て型の生命保険なども財産分与の対象になります(掛け捨て型の生命保険は対象ではありません)。

特に、熟年夫婦ともなれば、積み立て型の生命保険に加入されている場合、長期にわたって支払いを続けてきたはずで、多額の保険料を負担してきた可能性が高いです。

まもなく保険が満期を迎える、またはすでに満期を迎えているケースも少なくないはずですので、財産分与の対象であることを忘れないよう内容について把握しておくべきでしょう。

まだ満期を迎えていない生命保険については、保険会社や保険の担当者に、離婚時の解約返戻金の見積もりを出してもらい、その解約返戻金を財産分与の対象とします。

Q3:離婚したら、保険は解約したほうがよいでしょうか?

なお、離婚したからといって、保険を解約しなければならないわけではありません。名義や受取人の変更など、今の契約を生かしつつ継続できる方法もあります。

そもそも何のために加入した保険なのか、その目的を改めて確認し直すことが大切です。保険の解約にはデメリットも多いため、安易に解約をしないことがポイントです。

保険を解約する場合に留意すべき点

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