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大注目!テスラ「ロボタクシー」は世界を変えるか 「歴史に残るイベントになる」とイーロン・マスク氏

東洋経済オンライン / 2024年10月4日 10時0分

テスラがロボタクシーを事業として展開するには、信頼性の高い自動運転技術を提供する必要がある。だが、上記のような現状では、それがいつ実現するのか、あるいは実現できるのかはまだわからない。9月10日に開かれた2024年第2四半期の決算報告では、マスク氏は投資家からの質問に対し、ロボタクシーがいつ展開できるようになるかは、技術の進歩と規制当局の承認次第だと述べていた。

したがって、10月10日にテスラがロボタクシーの発表イベントを開催しても、それがすぐに生産を開始し、事業開始が間近に迫っているという話にはならないと考えておく方が良さそうだ。

イーロン・マスク氏が話す将来の予定や期限に関する話には、多分に希望的観測が含まれていることが多い。テスラは2019年に開いたイベントで、特徴的なデザインの電気ピックアップトラックCybertruckを発表したが、その納車が開始されたのは、発表から4年を過ぎた今年1月のことだった。さらに言えば、Cybertruckと同日に発表された電気スーパースポーツカー、Tesla Roadster(2代目)は、いまだに市場に出る気配もない。

多くの専門家は、テスラのロボタクシーが実現するとしても、それは数年、場合によっては数十年先のことになるだろうと予測している。そしてテスラはイーロン・マスク氏の方針により、他社が周囲の様子を詳しく把握するために使用するLiDARのような技術を採用するのに対して、イメージセンサーや高性能なコンピューターと人工知能によって、人と同じように視覚的な情報から状況を判断する自動運転技術の開発を推し進めてきた。

ロボタクシーが新たな収益源に?

テスラの既存の自動運転技術であるAutopilotやFSDは、まだドライバーの手助けなしでは使うことができない。これらの技術を過信して運転操作を怠り、事故を起こして命を落としたドライバーもいる。アメリカ司法省をはじめとする規制当局は、こうした事故において、テスラの自動運転技術に何ができて何ができないかを巡り、投資家や一般消費者を欺いているのではないかとする調査を行っている。

だが、投資家の多くは長期的に見て、テスラの自動運転技術がこの電気自動車メーカーに巨額の利益をもたらすと信じているようだ。たしかにオーナーが車を離れている時間に無人タクシーとして副収入を得られるようになるのなら、それが人々がテスラ車を購入するための動機になるかもしれない。また、自動運転技術を他社にライセンス供与すれば、大きな収益源になる可能性もある。

年初来、テスラの株価は下降線をたどっていたが、マスク氏がロボタクシーを発表すると述べた4月下旬からは持ち直し、会社の時価総額は8000億ドルを超えている。これはトヨタの時価総額の約3倍だ。マスク氏は9月11日、Xへの投稿で、ロボタクシーの発表はテスラにとって、約8年前にModel 3を発表して以来の重要な瞬間になるだろうとの考えを述べている。 今回の発表イベントがテスラの株価をさらに押し上げるのか、穴の開いた風船のようにしぼませてしまうのか、世界が注目しているはずだ。

タニグチ ムネノリ:ウェブライター

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