グランドセイコーがロレックスを追撃できた理由 日本の職人技が世界最大のアメリカで高い支持
東洋経済オンライン / 2024年10月6日 8時0分
グランドセイコーは日本では1960年から展開しており、中高年のビジネスマンを中心に高級時計としての高い認知を誇っていたが、アメリカでのセイコーは中価格帯のクオーツ時計のイメージが強く、百貨店での販路が中心だった。
「まず高級時計の扱い方を変える必要があった」。セイコーウオッチでマーケティングを統括する柴﨑宗久取締役はアメリカに駐在していた当時を振り返る。
アメリカでオメガのトップを務めた経験を持つブリス・ル・トロアデック氏をグランドセイコーの米国販社の社長に招聘。ラグジュアリー業界とのコネクションを活用して新たな販路を開拓。高級時計には過度なセールによる訴求が許されないため、従来から流通を大幅に絞り、これまで取引がなかった時計店にも新たに売り込んでいった。
同時にグランドセイコーの直営ブティックも新設した。最初に旗艦店を置いたのがロサンゼルスの高級住宅街ビバリーヒルズだ。開放的な雰囲気のある西海岸を中心に、アメリカの消費者は新しい技術を積極的に受け入れる傾向が強い。高度な職人技を打ち出したブランド戦略は奏功し、支持が全米に広がっていった。
2024年2月には満を持してニューヨークの高級ブランド街として知られるマディソン・アベニューに世界最大の旗艦店をオープン。約580平方メートルにも及ぶ広大な店舗では、グランドセイコーの世界観を直接体験できる。
セイコーの主導でこうした直営店での販売強化を進め、2024年10月現在、国内外で24店舗を展開している。
名門ブランド限定の展示会に初出展
グランドセイコーはスイスのブランドコミュニティからも、ようやく認められる存在となってきた。
2022年には、アジアから唯一、世界最大の高級時計展示会「Watches and Wonders」に出展。この展示会はスイス・ジュネーブで毎年開催され、カルティエに代表されるリシュモングループを中心に名門ブランドが新作を発表する場として知られる。まさにグランドセイコーが世界の高級時計として認められたことを象徴する出来事だった。
毎年11月に開催される「時計界のアカデミー賞」と評されるジュネーブ時計グランプリでは、2024年度のメンズ部門でグランドセイコーがノミネートされている。
クリスマスを控える11月は1年で最大の商戦期でもある。セイコーの柴﨑氏は「4月の展示会に新製品を発表し、11月のコンクールで受賞というサイクルを確立することで、ブランド訴求を図る」と意気込む。
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