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16億円で取引の鹿島、Jクラブ本当の市場価値は? 「安すぎる」の声に欧州ケースをモデルに算出すると…

東洋経済オンライン / 2024年10月6日 12時30分

1990年代に1986年メキシコワールドカップ(W杯)得点王の元イングランド代表FWゲーリー・リネカーが名古屋グランパス、1990年イタリアW杯得点王の元イタリア代表FWサルヴァトーレ・スキラッチがジュビロ磐田に赴くなど、欧州で活躍した超有名選手が続々とJリーグに参戦していたのも、欧州での安すぎる年俸が背景にあったのだ。

チェルシーの価値は約20年で30倍に

しかし、欧州ではその後、「クラブの価値を可視化し、選手の市場価値を明確にしなければならない」という機運が高まり、放映権料の高騰も相まってクラブの価値がグングン上昇していく。

顕著な例が2003年のロシアの富豪・ロマン・アブラモビッチ氏によるイングランドの名門・チェルシーの買収だろう。当時の買収金額は約230億円だったが、2022年の売却価格は6800億円に膨れ上がった。

アメリカの場合は、4大スポーツと言われるメジャーリーグ(MLB)、バスケットボール(NBA)、アメリカンフットボール(NFL)、アイスホッケー(NHL)のクラブはほとんど黒字になっていない。彼らが重視しているのはインカムゲイン(投資資産保有で得られる収入)ではなく、キャピタルゲイン(保有資産売却差益)なのだ。

その考え方は欧州サッカーにも共通しており、プレミアリーグも発足の1992年以降、総収入と総支出で黒字になった年はないという。

「オーナーは赤字を出してでも高給のいい選手を獲得し、試合で結果を出すことで賞金や放映権料を得て、人気チームになるという状態を目指しています。そういう考え方が日本サッカー界にはまだ根付いているとは言い切れません」と木村氏は指摘する。

こうした調査・分析の結果、欧州・アメリカのクラブ価値評価はこれまで以下のようなファクターを見ながら進められてきたことが明らかになった。

A…売上高、チーム人件費率、選手の市場価値、SNSフォロワー数、放映権料、スタジアム保有の有無

B…純資産、チーム成績、負債比率、アカデミー

C…営業利益、背後人口、スタジアムの築年数

このうち、現在のトレンドはAになる。特に売上高、選手の市場価値、SNSフォロワー数は重要な要素になっているという。

J1全クラブの推定価値を算出

木村氏の属する研究室は、欧州のクラブ価値がどのように算出されているのか、その計算方法を導出した。

その結果、

【モデル1】売上高+SNSフォロワー数

【モデル2】所属選手の市場価値+SNSフォロワー数

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