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戸建て住宅で「騒音」トラブルが起きやすい背景 ボール遊びや家庭用給湯設備の「音」まで多様に

東洋経済オンライン / 2024年10月7日 13時0分

当たり前のようだが窓を閉めるだけで「音」は外に漏れにくくなる。ただ構造上、窓には隙間があったり、防音性能が低いこともあるため、窓を閉めても音は漏れ出てしまうものだ。

遮音・防音カーテンの設置や防音ガラスへの変更、また既存の窓にもう一つ窓を設置する二重サッシ・内窓リフォームも有効な対策となる。内窓や二重窓のリフォームは、条件に応じて補助金や助成金が利用できることがあるため、ぜひ検討してみてほしい。

戸建ての新築時にも騒音対策は意識したい

窓以外に音の出入りが多い戸建ての「穴」、換気扇や換気口についても防音対応は可能だ。

例えば音が漏れやすいキッチンのレンジフードなどを防音対応にするだけでも違ってくる。レンジフードのダクト内に防音スリーブを設置したり、24時間換気の給気口などの壁穴にサイレンサーと言われる消音材を用いたりするのも一案だ。

換気の機能をなるべく落とさないようにしつつ、穴の外側に防音性の高い防音フードをつけるやり方もある。

ゲームや映画の音響にこだわりたい、思う存分楽器の練習をしたいなどの場合は、専門的な防音対策を施した「防音ルーム」の設置を視野に入れてもいいだろう。

また新築で家を建てる場合、最初から住宅の隙間を極力なくし、気密性を高める(気密性を測る指標「C値」を低くする)ことも有効になる。隙間が少なくなることで防音対策にもつながるからだ。

エコキュートやエネファームなどの家庭用給湯設備を導入する場合も、近隣住宅の寝室などに隣接しないか、また逆に自宅が隣家の給湯器設置場所に隣接していないかなど設置場所や間取りを慎重に検討しなければならないだろう。

エアコンの室外機も同様だ。

物理的防音対策とコミュニケーションの両輪が不可欠

近隣との騒音トラブルを避けるためには、このようなハード面での対策が重要となる。そのうえで早朝や深夜など「音」を出す時間に配慮し、「相手の立場に立って考える」ことが大きな意味を持ってくる。

騒音問題に限らず、近隣トラブルというのは小さなすれ違いや、互いなかなか言えずにたまっていた不満が爆発してしまって話が大きくなり「こじれて」しまう。そしていったんこじれると、解決の糸口が見いだしにくくなってしまうのが実情だ。

戸建てであっても集合住宅と同じく、隣近所とのコミュニケーションがカギとなる。近隣の住民との良好な関係を築いていれば、問題が発生した場合も円滑に解決できる可能性が高くなるからだ。

そのうえで各々が二重窓や換気扇のサイレンサーなどハード面での対策を講じるよう努める必要がある。「音を入りにくくすること=音を出しにくくすること」につながると理解し、誰しもが音を出す側、出される側どちらにもなり得ると認識しよう。

隣人から「音が気になる」と伝えられた場合も、まずは前向きに捉え、解決策を講じることが重要だ。

そして最終的には「お互いさまの精神」を持ち、相手の立場に立って相互理解を深めること、これこそが騒音トラブル解決の第一歩となるはずだ。

長嶋 修:不動産コンサルタント(さくら事務所 会長)

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