1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

発達障害の子どもとの対話で大人が陥る落とし穴 そのコミュニケーションは大人が楽になるだけでは?

東洋経済オンライン / 2024年10月8日 19時0分

この場合、生徒のいろんな要求が伝わりやすいと助かるのは本人以上に(介助を行う)こちら側であることは明白です。用を足したいといった要求は、いままでも表情や状況から読み取って対応できていたはずです。わざわざ音声出力する必要があるのか、考えるべきですよね。

さらに、これがこの生徒の初めての音声言語を介したコミュニケーションであることの考慮も必要ですよね。「楽しい!」「役に立つ!」がコミュニケーション意欲を高めることになるわけですから、「トイレに行きたい」をその貴重な選択肢に使っていいのでしょうか。上司の指摘を受けて、この若手はがっつり反省することになります。実はこの若手とは私のこと。私の忘れられない失敗の1つです。

発達障害の子どもへのコミュニケーション支援では、支援側が「誰のためのコミュニケーションか」を見誤り、支援側にとってメリットのある反応を成立させることに注目が行きがち(我々のわかる反応を対象に強いる)です。これはそもそもコミュニケーションの本質に反することです。

コミュニケーションはできる限りお互いに楽しいものであり、意味のあるものであり、よりリーズナブル(状況に応じて本人に無理なく簡便)なものであるべきですし、そうでないと続きませんよね。

川﨑 聡大:立命館大学教授

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください