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中国EV「蔚来汽車」、新ブランドでトヨタに挑戦状 300万円台でエンジン車「最後の砦」を攻略へ

東洋経済オンライン / 2024年10月8日 12時0分

楽道ブランドの第1号モデル「L60」は、交換式の電池のリースを選択すれば車両本体を約300万円で購入できる(写真は楽道ブランドのウェブサイトより)

中国の新興EV(電気自動車)メーカーの蔚来汽車(NIO)は9月19日、同社の第2ブランド「楽道(ルーダオ、英語表記はONVO)」から投入する第1号モデル「L60」を発売した。

【写真】楽道ブランドのEVは、蔚来汽車が中国全土に展開する電池交換ステーションを利用可能だ

車載電池の容量の違いで2つのグレードがあり、メーカー希望価格は標準仕様が20万6900元(約418万円)から、長航続距離仕様が23万5900元(約477万円)からとなっている。

蔚来汽車はこれまで、価格が30万元(約606万円)を超える高級車セグメントに焦点を絞り、高級ブランドのイメージ作りを優先してきた。第2ブランドの楽道の狙いは、その下の20万~30万元(約404万~606万円)クラスの市場を開拓し、販売台数を大きく底上げすることだ。

「電池交換式」の設計採用

L60の標準仕様の価格は、2024年5月に販売予約の受け付けを始めた時より1万3000元(約26万円)引き下げられた。これは、同じクラスの人気車種であるテスラ「モデルY」のエントリーグレードの価格(24万9900元=約505万円から)より4万3000元(約87万円)も安い。

「蔚来ブランドの競争相手は(ドイツの高級車ブランドである)メルセデス・ベンツ、BMW、アウディだ。一方、楽道ブランドの競争相手はテスラ、フォルクスワーゲン(VW)、トヨタを想定している」

楽道ブランドの位置づけについて、蔚来汽車の創業者兼CEO(最高経営責任者)の李斌氏は、複数メディアの取材に応じた際にそう述べた。

L60の売り物の1つは、蔚来ブランドのEVと同じ電池交換式の設計を採用したことだ。「いわば電池交換可能なモデルYだ」と、李氏は差別化に自信を示す。

蔚来汽車は電池交換式EVのパイオニアであり、BaaS(バッテリー・アズ・ア・サービス)と呼ばれる車載電池のリース事業を展開している。交換式の電池ユニットをリースすることで、ユーザーが車両購入時の初期費用を抑えられる仕組みだ。同社によれば蔚来ブランドのEVの購入者は、現時点で8割超がBaaSを選んでいるという。

楽道ブランドのEVも同じく、電池ユニットのリースを選べる。その場合、L60の車両価格は14万9900元(約303万円)からとなり、電池のリース料は容量60kWh(キロワット時)のユニットが1カ月599元(約1万2104円)、容量85kWhのユニットが同899元(約1万8166円)だ。

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