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セブン&アイ「ヨーカ堂一部売却」に透ける焦り ヨーカ堂幹部も「そんな話はなかった」と動揺

東洋経済オンライン / 2024年10月8日 8時0分

積年の課題である構造改革が前進しつつあることは評価できるだろう。しかしセブン&アイのもくろみどおり、株価を維持、向上させるのは容易ではなさそうだ。

連結収益の大半を占める国内・海外のコンビニエンスストア事業は苦戦が続いており、10月10日に公表される2025年2月期第2四半期(3~8月、海外は1~6月)決算は厳しい結果が予想されるからだ。

近年の業績拡大を牽引してきた海外コンビニ事業は、7月公表の1~3月決算と同様、4~6月も既存店売上高の前期割れが続いている。

主力商品であるガソリンは、1ガロン販売当たりの粗利額(CPG)も北米事業の利益を左右する重要指標であるが、すでに公表された4~6月期のCPGは前年同期比7%減。前期並み程度だった1~3月からも悪化している。

国内も減益となった3~5月期の決算から状況は変わっていない。セブン‐イレブン・ジャパンの既存店売上高は、6~8月すべてで前年同月比マイナスの推移だった。増量キャンペーンなどお得感を訴求し、増収を継続している競合とは対照的だ。

真の課題は本業の変革

こうした「本業」での苦戦の結果が明るみになり、マーケットの想定を下回れば、構造改革への期待で一時的に高まっている株価も調整局面に入る可能性は多いにある。

前出の証券アナリストは「ヨーカ堂がどうこうではなく『集中する』としているコンビニ事業が厳しいことがこの会社のいちばんの問題」と指摘する。

独立路線を目指す経営陣に必要なのは、企業価値を一段と引き上げる、中長期の明確な戦略を示すことだろう。

井阪隆一社長らセブン&アイ経営陣に真に求められるのが、コンビニ事業の変革であることに変わりはない。10月10日の決算会見では、ヨーカ堂株の早期売却についてだけでなく、より明確な成長戦略の説明が必要だ。

冨永 望:東洋経済 記者

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