あの城咲仁が「実家の町中華」で働く"切実な事情" 創業57年、父は満身創痍で鍋を振り、倒れ込む
東洋経済オンライン / 2024年10月9日 9時40分
ここから城咲さんは父のもとで40日間チャーハンの修業を行った。
「丸鶴」のチャーハンは味が濃くてコショウが強い。父には、誰が食べても美味しいというのは家庭料理で、好き嫌いが出るぐらいのインパクトがある料理こそが外食なんだという哲学があった。苦手な人がいるのも当たり前だが、それ以上にハマってしまう人がたくさんいるのが「丸鶴」の味だった。
味は常に進化していて、57年の歴史の中で15年前にやっと理想の醤油ダレが完成した。いつ来ても「また美味しくなってない?」と言われるべきという考え方なのである。
「丸鶴」の醤油ダレは継ぎ足しで完成したチャーシューを煮込んだタレ。毎日肩ロースを24本も煮ていて、この量がなければ「丸鶴」の醤油ダレは完成しない。チャーハンは一日200杯以上出ているという。
こうして修業の後、「丸鶴」の冷凍チャーハンは完成した。このチャーハンは工場で作っているのではなく4人の職人が鍋をふるって手作りしているものである。
60周年まであと2年、励ましながら父の肩を押す
今月の10月19日、20日には「板橋区民まつり」に出店することが決まった。城咲さんが学生時代に遊んでいた公園や学校で行われるお祭りで、そこで実家のチャーハンを出せる喜びをかみしめている。
父からは「年内で店を辞めたい」という声もあった。現状は体調が悪すぎてお店には2時間しか立つことができない。しかしあと2年で60周年、そこまでは頑張ろうと城咲さんは父の肩を押す。
「長男のワガママとしての2年です。今のオヤジは目標がないと頑張れないと思うので、60周年を目標にしました」(城咲さん)
店の後継ぎについては常に考えているが、父ほど鍋をしっかり振れる人がいないのが現状だ。従業員は頑張ってくれているが、「丸鶴」は今でも混みすぎでキャパオーバー。このまま受け継いでもらうのは難しいと考えている。
「お客さんがひっきりなしに来てくださるのは、この景気が悪い中本当に嬉しいことです。ですが、オヤジが57年命を懸けてやっていることを簡単には継げないと思っています。今はオヤジをサポートしながら、オヤジがやれるところまで付き合おうという考え方です。今は少し見守ってほしいです」(城咲さん)
満身創痍のなか、父は鍋を振り、倒れ込む
城咲さんはホールと洗い場を手伝い、父と従業員が休憩の時に鍋を振っている。
父は調理に入ると使命感が生まれ、体の痛みを忘れるという。そして鍋を振り終わると目がうつろになって倒れ込んでいる状態だ。
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