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栄養ドリンク元祖「赤まむしドリンク」の現在 志村けんと研ナオコによる伝説の夫婦コント

東洋経済オンライン / 2024年10月10日 11時45分

2017年に発売されたレッドマムシは、売り上げが低迷する赤まむしドリンクにテコ入れするために開発したのかというとそうではない。タレントの所ジョージがメインキャラクターを務める雑誌、『Daytona(デイトナ)』から赤まむしドリンクのリニューアルプロジェクトを提案されたのだった。

Daytonaにはモータースポーツのチームがあり、レッドブルやモンスターエナジーではなく、日本のエナジードリンクの元祖ともいうべき赤まむしドリンクへのオマージュとして、マシンに赤まむしドリンクのラベルを基に制作したステッカーを貼っていたという。

「海外からエナジードリンクが入ってきたことで、国内の市場状況は大きく変わりました。良質な日本製のエナジードリンクを共同開発して、海外ブランド製品を迎え撃ちたいという思いが伝わってきたのでコラボすることにしました」(梅本さん)

レッドマムシのこだわりを聞く前に飲んでみた。喉を通るときに強烈な刺激がガツンと伝わり、辛口のジンジャーエールをさらに濃厚にしたような味わいが広がる。うっ、喉の奥が焼けるように熱い。赤まむしドリンクは甘ったるい印象があったが、レッドマムシに甘さは皆無。ハードな現場で気合いを入れるのはもちろんのこと、深夜の原稿書きや長距離ドライブなどの眠気覚ましにはピッタリだ。

「刺激にとことんこだわり、しょうがエキスのほか、黒コショウ抽出液も入っています。赤まむしドリンクに使用しているマムシ抽出液や、疲労の原因といわれるアンモニアを解毒させるオルニチンやアルギニンも配合しました。カフェインの含有量は、清涼飲料水製品において100mlあたり120mgと国内最多級です」(梅本さん)

いっさいの妥協を許さず、こだわり抜いて作ったことと、赤まむしドリンクの発売から46年もの時を経てリニューアルしたことで新商品の展示会では問屋やスーパーのバイヤーからも「面白い!」と評判は上々だった。こうして満を持して2017年3月に発売となった。

赤まむしドリンクは会社の歴史そのもの

ところが、いざ蓋を開けてみると、食いついてきたのは50代以上の男性のみで、ターゲットにしていた若い世代からは見向きもされなかった。そもそも赤まむしドリンクを知っている世代は中高年であり、若者にとってマムシ抽出液配合のエナジードリンクは、マムシ酒やハブ酒と同列に受け止められるかもしれない。

「イベントで若い方に試飲してもらおうと声を掛けたのですが、『絶対にイヤ!』と思いきり拒絶されたこともあります。そんな有り様なので、発売したものの半期で棚落ちになりました。今ではほぼネット通販のみの扱いになり、細々と作り続けています。あ、言い忘れていましたが、レッドマムシのパッケージは『チキンラーメン』のキャラクター、ひよこちゃんのデザインを手掛けた中野シロウさんが担当しました。きっと、黒歴史になっていると思います」(梅本さん)

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