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気づけば「自分に厳しい道を選ぶ人」が陥る思考 マラソンに挑戦しながら、聞こえてきた心の声

東洋経済オンライン / 2024年10月10日 16時30分

ポジティブ心理学は、ほぼ「ウェルビーイング=幸せ」だけに注目する。何が人生を生きがいのあるものにするか、どうすれば人は生き生きと暮らすことができるのかを理解しようとする学問だ。セリグマンは人が幸せを追求する中で求めるものとして次の5つをあげ、「PERMA」という略語で表現した。

・ポジティブな感情(Positive emotion)
・積極的な関わり(Engagement)
・人間関係(Relationships)
・人生の意義(Meaning)
・達成感(Achievement)

ポジティブ心理学は単に一つのムーブメントとみなされているわけではなく、希望、知恵、創造性、勇気、精神性、責任、粘り強さといった、心理学において従来は過小評価されていたテーマの研究に関心とリソースを向けさせることに寄与した点が最も大きく認められている。

不安になったり病気にかかったりしないためだけに生きている人はいないし、充実した人生には、ただ何とか生き延びるために必要なもののほかにも、さまざまな要素が含まれる。メンタルヘルス分野のほかの大部分のアプローチとはまったく対照的に、ポジティブ心理学は「幸せの科学」とも呼ばれる。

ポジティブ心理学では、個人や組織やコミュニティに、生き生きと暮らし、繁栄するために必要なツールを提供することを目指す。

その目的は、主流の心理学に取って代わったり、それと競ったりすることではなく、心理学の研究の重点を苦痛とその緩和以外にも広げることにある。

ポジティブ心理学が重点を置くのは、どうすれば幸福感を高められるか、そして逆境に耐え、前より強くなって立ち直る手段はどうすれば見つかるかという問いだ。

そのため、まだ萌芽(ほうが)期にあるこの学問分野では、達成、組織の発展、創造性、心理的健康について集中的に研究しており、セラピー、ジャーナリズム、教育から、スポーツ、公衆衛生、法と統治まで、あらゆる分野で応用されている。

50日間をかけたマラソンに挑戦

50日間をかけたニュージーランド縦断マラソンで一つのターニングポイントが訪れたのは、12日目のことだった。毎日約50キロ走り、それまでの合計走行距離は600キロに近づいていた。

道路の硬い地面に繰り返し打ちつけられたせいで右の足首が腫れ上がり、暑さで60度近くまで上がった路面の熱がシューズのゴム底からマメだらけの足に伝わって、腫れがますますひどくなった。

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