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平井一夫「ダメな上司を持った時にどうするか?」 一番よくないのは不満げな態度を見せること

東洋経済オンライン / 2024年10月11日 16時0分

逆に、もし、いい上司に当たったら、徹底的に使い倒しましょう。面倒見がよく、話を聞いてくれる。仕事で困ったときや迷ったときには相談に乗ってくれるが、過干渉ではなく適度に任せてくれる。失敗しても一方的に叱責するのではなく、まず、がんばったことを労ったうえで善後策を促し、大いに学ばせてくれる──。

すべて揃った理想的な上司に出会えることは稀かもしれませんが、1つでも、いいところがあれば、その点を「使わせていただきます」という精神で、ありがたく享受する。

「いい上司に当たった。ラッキー」だけでは全然足りません。かなり意識的、戦略的に、その人から吸収できるものはすべて吸収する。それが部下としての自分の務めくらいに思って、上司を使い倒してください。

学べることは、その人から直に教わる仕事のノウハウだけではありません。普段、どういうふうに仕事をしているか。どう目上の人、目下の人、取引先の人たちなどと接しているか。うまくいっているときには何をするか、逆にうまくいっていないときには何をするか。その一挙手一投足があなたにとってのよきお手本ですから、日々、観察することで学べるところもたくさんあるはずです。

「会社、辞めようかな」と思ったら

仕事は手段、会社は取引相手。どちらも人生の一部にすぎないとはいえ、やはり日々の糧を得るために働くわけですから、重要なものには違いありません。

ときには「この会社、辞めたいな」と思ってしまうこともあると思います。でも、せっかく縁あって働くことになった会社です。ブラック企業、パワハラ上司など病的な状態を除いて、なるべく「辞めずにがんばれる方法」を探ったほうがいいでしょう。

特に人間関係を理由に、衝動的に辞める選択肢を取るのはおすすめしません。なぜなら、どこに行っても人間関係の悩みは付きものだからです。だからこそ、いろいろな人間がいる中でどうコミュニケーションを取って仕事をするかが問われているわけです。その努力をろくにせぬまま「上司とソリが合わないから辞める」では、おそらく次に働く場所でも同じ壁にぶつかるでしょう。

こうして仕事人として必須の素養を培えぬまま職場を転々としていたら、当然、立場も給料も上がりません。何より仕事にやりがいを感じられず、何かを成し遂げる喜びを味わう機会にも乏しくなってしまう。そんな仕事人生を送りたい人はいないでしょう。

ですから、「この会社、辞めたいな」と思ったときには、まず、そう思わせている原因について、本当に辞める理由として妥当なのかを冷静に考えてみる必要があります。ひょっとしたら、あなたのちょっとした意識や行動により、「辞めたい」と思った原因が解消あるいは縮小するかもしれません。そうしたら、相応に労力のかかる「辞める」「転職する」という選択をせずに済みます。

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