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「石破は安倍の後継者」トランプ元側近が語る本音 ジョン・ボルトン元大統領補佐官に聞く【前編】

東洋経済オンライン / 2024年10月11日 8時0分

岸田文雄前首相は、防衛費を2027年度に国内総生産(GDP)比2%まで増額するよう指示した。アメリカも防衛費を増額する必要がある。中国の脅威に直面しているからだ。

中国は8月下旬、(軍機で長崎県沖上空の)日本の領空を侵犯したり、(軍艦で鹿児島県沖の)日本の領海内に侵入したりしている。長年にわたって台湾に対してやってきたように、アメリカとその同盟国に圧力をかけているのだ。日本が強くなれば、インド太平洋全域における対中国防衛にプラスに働く。

アメリカとイギリス、オーストラリア3カ国による安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」の潜水艦プロジェクトのようなものに日本は加わりたいのか? 日本とアメリカ、インド、オーストラリア4カ国によるアジアの戦略対話「QUAD(クアッド)」に韓国を招き入れて拡大すべきか? そうした点を考えることが重要だ。

そして、誰もが考えなければならないのは、極めて重要なプレーヤーである台湾との同盟をどのように強化するかという点だ。中国の習近平国家主席は台湾を征服したいと考えているが、そんなことを許すわけにはいかない。

「アジア版NATO」以外にも方法はある

――石破氏は「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」の構築を提唱してきました。アジア版NATOは必要だと思いますか。

NATOは、(対ロシア防衛という)志を共有する欧州の国々が強力な集団防衛組織を構成するという考え方に基づいており、歴史上最も成功している政治的軍事同盟だ。「アジアは欧州とは違う」と人々は言う。確かにそうだが、私たちには対中防衛という共通の利害がある。よりよい協調の道をもっと探るべきだ。

だが、NATOというモデルに飛びつく必要はない。アジア(の安保協力)がそうした形(の政治的軍事同盟)に発展することはありえないかもしれない。

だからといって、安保協力は、日米同盟や米韓同盟などの2国間同盟にとどまらない。もっと多くの方法がある。例えば、日本と韓国、アメリカの3カ国が合意した共同訓練などの実施が好例だ。私たちはこの合意を礎に3カ国間の関係を発展させることができる。

合意の実現に当たっては、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と岸田首相が大いなる政治的勇気を奮う必要があったが、3カ国にとってメリットは計り知れないほど大きい。申し分のない第一歩を踏み出すことができた。

とはいえ、まだすべきことは多い。中国の脅威が今後短期間で、さらに高まる見通しだからだ。中国は南シナ海の海域(や島々など)の領有権を主張しており、その範囲は南シナ海の8割超に及ぶ。おそらく最初は台湾に焦点が当てられるだろうが、そうなれば、南シナ海にも脅威が及ぶ。対中抑止政策を維持するための最善策は何かを考えなければならない。

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