約70万円から「手が届く」中国産ハーレーの実力 中免で乗れる「X350」とスポーツスター風「X500」
東洋経済オンライン / 2024年10月12日 11時30分
エンジンは総排気量500ccから最大出力47馬力、最大トルク46Nmを発揮、トルクの太さを生かした走行が可能だ。X500は都市部の移動から長距離のツーリングまで幅広く対応できる多用途なバイクである。
中型免許で乗れるX350
一方、X350、とりわけオレンジのカラーをまとうモデルは、1970年にデビューし、アメリカのダートトラックで成功を収めたレース専用モデル「XR750」の流れをくむデザインを採用している。XR750は、空冷45度Vツインエンジンを搭載し、非常に軽量かつ俊敏で、オフロードでの優れた操作性が特徴であった。
X350のトラッカースタイル(オーバルコースのレース車をモチーフにしたバイク)のデザインは、XR750の持つ競技志向を意識している。ステップ位置を後方に配置したアグレッシブなライディングポジションを中心とするスポーティな性格はX350に引き継がれており、ライダーは前傾姿勢を取りやすく、軽快で俊敏なハンドリングを実現するダイナミックな走行を促す。同時に195kgという軽量を生かして、取り回ししやすく、初心者でも扱いやすい。
X350の最大の特徴は、中型2輪免許で乗れる353ccのエンジンを搭載している点だろう。最高出力36馬力、最大トルクは31Nmで、特に高回転域でのパワー感を重視してチューニングされており、街中でもスポーティネスを楽しむ走行に適している。
ワインディングロードでは多少ペースを上げてみたが、パワーに見合うしっかりしたフレームに整然と動くサスペンション、パワーに見合うしっかりしたフレームに整然と動くサスペンション、素直な特性のエンジンのコンビネーションで、とても扱いやすいバイクであると感じた。
ここからは日本の中型2輪免許でも乗れて価格もより手頃で、ターゲットが広いと思われるX350を基準に、他のメーカーとの対比やマーケットにおける存在意義を考えてみよう。
ハーレーダビッドソンの試乗会に赴き、ほかのハーレー各車に囲まれる中で「これはハーレーなのか?」という目線でX350に乗ると、疑問符ばかりが頭に浮かぶことを否定しない。ただ、色眼鏡を外してよくよく観察してみると、中排気量のバイク市場ではなかなか魅力的な存在であることがわかる。
X350の2気筒エンジンは同クラスの競合モデルに多い単気筒に比べ振動が少なく、1万1400rpmという高回転まで回せる。9300rpmほどまでしか回らないX500の500ccユニットに比べても、個人的には好みだ。
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