約70万円から「手が届く」中国産ハーレーの実力 中免で乗れる「X350」とスポーツスター風「X500」
東洋経済オンライン / 2024年10月12日 11時30分
昔の話で恐縮だが、私が昔、走らせていたカワサキ「GPX250R」に近いフィーリングだなと思った。ホンダ「GB350」やBMW「G 310 R」といった単気筒モデルだと、高速道路で振動で手がしびれてしまったり、高回転域の伸びに不満を覚えたりすることが少なくないのだ。
フレームや各部コンポーネンツの出来栄えも、プレミアムブランドにふさわしい。フロントエンドだけ見ても、ブレーキにはこのクラスでは珍しいデュアルディスクを採用していて、制動力の点だけでなく美観のバランスにも貢献している。フロントフォークには剛性の高い倒立式を奢られた。
中国生産の気になる品質は?
生産国が中国であるという点について、気にする消費者も少なくないかもしれないが、IT関連で中国製といえば今や高品質の証しとなっており、実際製品に接してみれば、全体から安定感と信頼性を感じる。特に目に見える部分のクオリティは非常に高く、使用される部品や組み立ての精度も高いレベルに達している。
ハーレーがこのような中排気量モデルに注力する背景には、アメリカ市場での需要の伸び悩みがある。母国での大幅な成長が期待できない中、同社は2027年までに海外市場からの売り上げを全体の50%以上に引き上げるという目標を掲げ、とりわけ成長市場であるアジア諸国への進出を加速させている。
例えば、インドや東南アジアでは、現地生産によってコストを抑え、価格競争力を高めることでシェアを拡大しようとしている。
400cc前後のミドルクラスのモーターサイクルは、参入が容易で競争が激しいため、販売価格も低めに設定され、1台あたりの収益性は大型バイクに比べて低い。しかしながら技術的にはシンプルで、プレミアム機能も少ないため、製造コストも抑えられるのが利点だ。
このセグメントは主に大衆向けで実用性にフォーカスしている。また、多くのメーカーがこのクラスのバイクを通じて新規ライダーの忠誠心を獲得し、将来的に上級モデルへのステップアップを促している。
海外から、400ccクラスが面白くなってきた
400ccクラスのモーターサイクルは、かつて日本の中型免許に特化した、日本メーカーのモデルが多種多様に登場し、レーサーレプリカからネイキッド、タウンユース向けのレトロデザインやアメリカン、オフローダーまでより取り見取りだった。
国内市場の衰退や排ガス規制の強化によって一時はすっかりさみしくなってしまったが、アジアを中心とした海外による活況を経て、スポーツ、ネイキッド、クラシックなど選択肢が再び拡大しつつある。
そんなマーケットにおいて、ハーレーX350/X500は、実はブランドではなく実力で勝負しようという意欲作である。従来の「ハーレーらしさ」を期待するライダーには異なるフィーリングかもしれないが、若い世代や新規の顧客層にとっては魅力的な選択肢となるだろう。
評価するポイントの中には、購入後の整備に対する安心も含まれるべきだ。規模が小さいほかのブランドとは異なり、日本に充実したサービス・ネットワークを持つハーレーダビッドソンゆえの安心感も考慮に入れておきたい。
田中 誠司:PRストラテジスト、ポーリクロム代表取締役、PARCFERME編集長
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