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炎上した「移住婚」宇都宮には女性が殺到したワケ 女性の流出が止まらぬ地方自治体に残された課題

東洋経済オンライン / 2024年10月13日 10時0分

「興味深かったのは、企画に参加した女性は、埼玉県や首都圏に住む東北出身の女性が多く、東京出身・東京在住という女性はいなかった点です」(荒木さん)

筆者も山形県の出身なのでわかるのですが、宇都宮は東北新幹線が通っており帰省の途中で立ち寄れます。縁もゆかりもないわけではなく、故郷にも東京にも近い、利便性の高い街なのです。

宇都宮なら在来線を使っても日帰りで東京に行くことができます。職場がテレワーク可能なら、転職せず今の仕事を続けながら移住することができるでしょう。これは余談ですが、雪国出身の筆者からすると、雪かきが必要なほどの降雪がない街であることも重要な点だと思っています。

移住婚支援企画は、静岡や北関東といった、東京から100km圏内の場所だと女性参加者が集まりやすいといいます。地元にいては理想の未来が思い描けないと故郷を出てきたものの、東京での生活も疲れたという女性にとって、物理的にも心理的にも手頃な距離感なのではないでしょうか。

とはいえ、ここでカップルになっても、即恋人同士というわけではなく、まだ連絡先を交換しただけの関係性。恋愛関係に発展するまでには何度かデートを重ねなければなりません。

そういった意味でも、東京からそれほど遠くない距離の移住婚支援企画に参加したほうが、お相手と会いやすいでしょう。新幹線や飛行機を使って移動しなければならない距離の相手とは、結婚まで距離を縮めるのは難しいかもしれません。

宇都宮の企画では定員オーバーでしたが、やはり東京から距離のある地域での移住婚支援企画は、女性の集客に苦戦するケースも少なくありません。

女性に来てもらいたいと女性の参加費を無料にして、お土産も付けた企画をする自治体もありますが、そうなるとただのレジャー目的の女性しか申し込まなくなるというジレンマもあります。

移住婚の課題は「距離」以外にもある

一方で、相手の居住地にこだわらないという女性もいます。数年前に私の元へ相談にきた結花さん(仮名、30代半ば)は、マッチングアプリで知り合った東北地方で農家を営む博史さん(仮名、30代前半)に会うため、4時間かけて会いに行っていました。

結花さんは首都圏出身ですが、大学では農学を専攻しており、もともと農業に興味がありました。自然豊かな環境に憧れていて、農家との結婚もいいかもしれないと思っていました。

博史さんとマッチングしてから、アプリ上でのやり取りはとても盛り上がったといいます。彼の住む街にも興味が湧き、連休を使って会いに行ったときには博史さんも彼の両親も手厚くもてなしてくれました。

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