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「2024年問題」ドライバー不足を救う驚きの仕組み フィジカルインターネットは物流危機を解決するか

東洋経済オンライン / 2024年10月14日 9時0分

比重が大きい重量物だけを積むと荷台のスペースが余り、軽量物だけを積むとトラック積載量が余る。結節点で重量物と軽量物を最適に組み合わせて積み替え、その実績を記録することで、例えば5台で運んできた荷物を3台で運べるようになり、余剰となった2台を有効利用できる。同社が行った共同輸送の実証実験では輸送距離を26%、CO2排出量を21%削減できた。

その後も第2のアプリケーションが計画されている。集められた貨物を最適に組み合わせてトラックに積載できるようにする「オンラインリソース予約システム」である。

オンライン予約システムが実現すると、「ドライバー不足で輸送が困難になっている中ロット貨物も適正なコストで輸送できるようになるだろう」(長谷川氏)と期待する。

そのほかに、トラックドライバーの荷待ち時間の原因となっている「検品」作業を、事前出荷明細情報(ASN)を活用して不要にするためのアプリや、メーカー、卸、小売りの間で在庫データを共有して欠品させることなく在庫量を最適化するためのアプリなどの開発を進めている。

ドローン物流の拠点「ドローンポート」の実用化目指す

PIの実現には、物流施設を機能強化していくために戦略的な投資も必要となる。物流施設を対象としたJリート(上場不動産投資信託)の三井不動産ロジスティクスパーク投資法人(MFLP)と伊藤忠グループがスポンサーのアドバンス・ロジスティクス投資法人(ADL)は11月1日付で合併することになった。

「合併によって三井不動産と伊藤忠商事の物流関連リソースを相互活用しやすくなるほか、デジタル化やAI化の投資を積極的に進めていくうえでもメリットがある」――不動産証券化協会(ARES)の9月30日の記者懇談会で、ARES会長を務める三井不動産の菰田正信会長は、物流施設でのデジタル投資を積極的に進める考えを示した。

三井不動産では、日鉄興和不動産と共同開発した物流施設「MFLP-LOGIFRONT東京板橋」内に、ドローン実証実験の場「板橋ドローンフィールド(DF)」を10月2日に開設した。

物流施設内にDFを設置したのは、ドローン物流の拠点となる「ドローンポート」の実用化を目指しているからだ。施設の運営は、無人航空機(UAS)と次世代移動体システム(AMS)の産業・市場の育成を目指す日本UAS産業振興協議会と、ドローンベンチャーのブルーイノベーションが担うが、「ドローンポートの開発はトヨタ自動車が中心となって行う」(ブルーイノベーションの熊田貴之社長)という。

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