1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

男性育休に否定的な上司が受けた「衝撃の仕打ち」 上司が男性部下の育休をよく思わない理由3つ

東洋経済オンライン / 2024年10月15日 8時0分

しかしこのような態度のせいで、この上司は思わぬ事態に直面することになる。

ある日、その上司の母親が急病で倒れた。一人暮らしの母親を介護するため、上司は「介護休暇を取りたい」と会社に相談した。しかし普段から育休に理解を示さず、「仕事第一」を掲げていた上司に対し、周りの反応は冷たかったという。

「介護なんて、ヘルパーさんに任せればいいじゃないですか」

「そんなに長く休まれると、仕事に支障が出ますよ」

かつて自分が部下に言っていた言葉が、そのままブーメランとなって返ってきたのだ。「介護休暇」を取得する権利はあったものの、上司は職場の空気を読んで断念。仕事と介護の両立に悩んだ末、退職を選ばざるを得なくなってしまったという。

上司に判断を任せてはならない

この問題を解決するには、会社からの啓発が必要だと私は思う。上司や先輩で、男性の育休を取得した経験を持つ人が少ないのだから、「それぞれの職場で臨機応変に」といった丸投げは絶対によくない。

私はたまたま離職のタイミングと重なり、長男の育児に関わった。しかしそれは「育児休暇」を取得したからではない。したがって私自身も「男性の育休」を取った経験がなく、相談相手としては不十分だ。

だからこそ会社が社外の専門家を招聘するなり、積極的に情報を提供し、理解を促す必要があるだろう。具体的には以下のような取り組みをおススメする。

(1)育休取得者の体験談を社内で共有する

(2)管理職向けの研修で、育児や介護の現状を学ぶ

(3)育休取得者のキャリアパスを明確にし、不安を払拭する

これらの取り組みにより、男性の育休取得に対する理解が浸透し、より多くの人が制度を利用しやすくなるだろう。

これから超少子高齢化の時代だ。「育児休暇」だけでなく「介護休暇」の需要も高まっている。前述の上司のように、自分が困ったときに周囲の理解が得られないという事態は、誰の身にも起こりうる。

だからこそ、お互いの立場を理解し、支え合える職場づくりが重要だ。男性の育休取得を応援することは、結果的に自分自身を守ることにもつながるのだから。

横山 信弘:経営コラムニスト

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください