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社員同士が「友だち」でもある会社の業績が良い訳 職場での充実した人間関係が生産性を左右する

東洋経済オンライン / 2024年10月16日 10時0分

そこで自身のコーチング・リーダーシップ開発組織全体に「グロース・グループ」を設立し、時間的にも空間的にも弾性のある「横の関係」〔訳注 上司と部下のような縦の関係ではなく友人どうしのような対等な関係〕をもたらそうと試みた。

「友情は自然に生まれるものではありません。それは意図があってこそ生まれるのです」と彼女は言う。彼女は一連の「一見無意味にしか思えない」組織の慣行を取り決めた。つまり、「人々が出会って互いの声を聞くことができるスペースをつくるために」、彼女のチームは意図していない会話を生み出すことを意図するのだ。

彼らは異なるタイプの会話のために異なるチャンネルをつくった。「もう気分は最低」のチャンネルまである。

彼女は組織内の人間関係がどのようにして自然に分裂するかをつねに観察し、分かれた部分どうしを横断する構造をつくって友人関係が芽生える可能性を高めようとした。この方法によって自身の組織内の信頼と責任(コミットメント)が強化されると彼女は信じている。

コンサルタント会社ザ・リミナル・スペースの依頼で「ナイト・クラブ」と呼ばれるプロジェクトのために調査をしていたころ、イノベーターのメラニー・ハワードはイギリスで夜間労働に携わる2つの男性労働者のグループと一緒に時間を過ごした。

一方のグループは食料品店の倉庫で荷物を降ろし、パッケージに詰める作業に従事していた。もう一方のグループは鉄道会社に勤務し、レールや信号機の故傷を修理した。

どちらも労働条件は明らかにかなり厳しかったが、鉄道労働者の心の健康状態は倉庫で働く人々よりずっとよかった。

鉄道労働者は3日続けて夜間勤務だったが、その間彼らは困難な状況にもかかわらずチーム一丸となって働き、食事し、冗談を言い合い、互いに支え合った。真の仕事仲間だったのだ。

倉庫で働いていた人たちはイヤホンで指示を受け取ったので、互いと話す機会がほとんどなかった。休み時間もバラバラで個別に作業した。彼らにコミュニティの認識はなかった。一緒に座ってコーヒーやお茶を飲むこともなかったからだ。

たくさんの人に囲まれながら隠者のように孤独だった。倉庫の労働者の心の健康と睡眠パターンは鉄道労働者のそれより悪く、彼らにとって仕事は給料以外に何の意味もなかった。

これとは対照的に、鉄道労働者は旅客を安全に運ぶための共同作業に参加していることに誇りを感じていた。

大企業では社内より社外の人と交流しがち

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