1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

クルマ社会だが鉄道王国、群馬県ご当地鉄道事情 新幹線にJR在来線、私鉄がそろう充実の路線網

東洋経済オンライン / 2024年10月16日 7時0分

もちろん、ほかにも東京方面からやってくる路線はある。たとえば、JR八高線。八王子と高崎という、かつてどちらも生糸の産地として知られた都市を結ぶことから名付けられた路線だ。

八王子駅から埼玉県内の高麗川駅までは電化路線。以後は首都圏にしてはめずらしい非電化路線として北進し、倉賀野駅で高崎線に合流、そのまま高崎駅まで乗り入れる。高崎駅で気動車を見かけたとしたら、それは八高線の気動車である。

こうして高崎駅までやってくると、鉄道ネットワークはここで多方面に分かれてゆく。新幹線が上越と北陸。JR在来線は西に向かう信越本線、北に向かう上越線が主役級だ。

信越本線は、もとは碓氷峠を越えて長野県に入り、新潟駅までつながっていた長大路線だ。けれど、1997年に北陸新幹線(当時は長野新幹線といった)が開通すると、ボトルネックだった碓氷峠区間が廃止されて分断。群馬県内には高崎―横川間が名ばかりながら信越本線として残された。

終点の横川駅前には、かつて峠越えの拠点だった歴史を伝える「碓氷峠鉄道文化むら」があり、また峠の釜めしでおなじみ「おぎのや」も店を構える。観光客の姿も絶えない、群馬県の魅力を体現する町の1つだ。

長野や新潟へ抜ける路線

上越線は、ほとんど上越新幹線と並んで走って上越国境を越える。利根川に沿って北へ、北へ。沼田駅付近には、利根川と片品川がつくりだした、まるで“教科書通り”の河岸段丘が広がっている。沼田以北は渓谷沿いの旅。沿線には温泉地などリゾートスポットが点在、山登りにも使われる路線だ。“日本一のもぐら駅”などとして知られる土合駅は、上越線の群馬県内最後の駅である。

列車の運転系統を見ると、水上温泉の玄関口・水上駅を越えて新潟方面に直通する定期列車は存在しない。ただし、上越新幹線が開通する以前は、東京と新潟を結ぶ大動脈であり、多くの特急列車が行き交っていた。新幹線によって役割を終えたかつての大動脈という点では、信越本線ともそっくりだ。

このように、群馬県の鉄道は、高崎駅を中心にして首都圏と信越を連絡する要としての役割を持っている。渋川駅で上越線と分かれ、草津温泉の玄関口である長野原草津口駅などに向かうJR吾妻線も、嬬恋経由で長野県に入り、信越本線豊野駅まで連絡する計画があったくらいだ。

ちなみに、特急「草津・四万」が走る吾妻線、2014年には八ッ場ダム建設による付け替え工事が行われている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください