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清宮を覚醒「新庄流育成術」一体何がスゴイのか ビジネスのプロも唸る、一流のマネジメントだ

東洋経済オンライン / 2024年10月16日 9時35分

「個」に向き合い、「集団」をもひとつにする……そんなマネジメントスキルを持っている人は、プロ野球はもちろん、現実の企業にもそこまで多くないだろう(写真:東京スポーツ/アフロ)

12日から14日にかけて行われたCSファーストステージにて、千葉ロッテマリーンズを2勝1敗で打ち破り、ファイナルステージへの進出を決めた北海道日本ハムファイターズ。

今季が「監督3年生」だった新庄剛志監督は、チームを2位に押し上げたと同時に、多くのスター選手を育てた。その背景には、「選手の個性に合わせたマネジメント」が見られたと言えるだろう。

そこで本稿では、前編ー新庄監督「6位→2位」若手を伸ばす育成力の本質 大原則「機会は平等に、評価は公正に」を守ったーに続き、新庄監督が行ってきたマネジメントの“すごさ”について、ビジネス・マネジメントのプロとともに振り返りつつ、考察していきたい。

選手たちに平等に機会を与え、成長を促し、時に厳しさも見せた新庄監督。健全な競争、公平な評価とともに新庄采配で目立ったのが、選手の個性に合わせた接し方である。

【画像】レイエス、郡司裕也…新庄監督は、選手に応じたマネジメントで才能を開花させた

清宮の奮起を促した、新庄流マネジメント

メディアを通して見える範囲に限ってではあるが、代表的なのが清宮幸太郎への対応だ。

新庄監督は就任当初から清宮に対して厳しい態度で接し、2021年の秋季キャンプでは減量を提案。さらにホームランを打っても「痩せろと言わなかったら間違いなく凡打。ボスのおかげ」と愛のある“イジり”をしている。

その甲斐あってか、清宮は新庄監督初年度の2022年に自身初の2ケタホームランを放つと、以降も今季まで3シーズン連続の2ケタを記録。今季は規定打席こそ到達しなかったが、300打席以上に立って打率は3割ちょうど、長打率も大きく伸びるなど成長を見せている。

組織づくりや人材マネジメントに詳しい、経営コンサルタントの横山信弘氏は、次のように話す。

「多様性の時代に、画一的な対応をとるマネジャーは失格といわざるをえない。その点で、新庄監督は時代の雰囲気に合致したマネジメントスタイルを貫いているのでは。

一方で、選手の個性に応じた対応は一朝一夕にできるものではない。普段から選手の言動を細かく洞察して、向き合う姿勢がまず求められるものだ」(横山氏)

確かに、新庄監督はタブレットを駆使して自他問わず細かに選手を分析していると語っている。

その人に応じて、接し方を変えられるか?

そして、分析だけでなく、”人事”の際にフォローをしているのも特徴的だ。

たとえば、後半戦、清宮とともに打線を牽引した新外国人のレイエス。メジャーで2度の30本塁打を記録した長打力を誇るレイエスだったが、序盤は日本野球になかなか適応できず、不振から5月13日に2軍落ちとなった。

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