戦わない「おジャ魔女どれみ」に大人も共感する訳 人としての成長、大人との関わり方等を学べる
東洋経済オンライン / 2024年10月17日 11時30分
そして、魔女見習いとしてお店を営みつつ、魔女になるためには試験を受ける必要がある。それは魔法の力だけでは、クリアできない試験内容だ。どんなに要領よくこなしても、試験内容に沿ったものでないと合格できない。
『おジャ魔女どれみ』は作品を通して、私たち自身も学ぶところが非常に多い作品なのだ。
どれみたちが子育てに奮闘する回も
『おジャ魔女どれみ』の各シリーズでは、大人でも深く考えさせられるようなエピソードが展開されている。
例えば、第2シリーズでは、どれみたちが魔女界で産まれた赤ちゃん(ハナちゃん)を育てることに奮闘する。
魔女が生まれるところに居合わせたどれみたちは、魔女界の掟により、1年間ハナちゃんを育てることになった。もちろん、小学生が赤ちゃんを育てるのは難しい。オムツを替えることから、哺乳瓶の扱いなど、どれみたちがわからないことは、周りの大人たちがしっかりサポートして教えていく。
サポートする大人は、どれみのお母さんだったり、魔女界の魔女だったりとさまざまだが、周りの大人たちから「育児」を学び、ハナちゃんを育てることにより、どれみたちも愛情を学んで、成長していくストーリーになっているのだ。
全シリーズを通して『おジャ魔女どれみ』の作品には、大人が登場するが、小学生のどれみたちとの年齢は大きく離れている。
特に魔女界の魔女たちとどれみたちは、おばあちゃんと孫ぐらいの年齢差だ。
しかし、孫ほどの年齢があるからといって、すべての魔女が優しいわけではない。どれみたちと打ち解けるのに時間がかかったり、クセが強かったりする。
人間の世界で描かれる大人も、大人の事情を抱えている人が多い。基本的に登場する大人は、どれみたちの親や、クラスメイトの親だが、小学生ながらもどれみたちはしっかりと大人たちが抱える問題にも向き合っていく。
帰国子女も登場
そして、第3シリーズでは、アメリカからの帰国子女でお菓子作りが得意な飛鳥ももこが登場。どれみたちと同様に魔女見習いでもある飛鳥ももこは、当初は日本語が話せず、コミュニケーションに苦戦したり、自分の意見をストレートに言いすぎてしまい、度々トラブルを起こしてしまうが、次第にクラスメイトとも打ち解けていく。
クラスメイトのことも、忘れてはならないだろう。全シリーズを通して、美空小学校のクラスメイトが登場し、どれみたちと関わっていく。
ラフォーレ原宿のメモリアル店でも、クラスメイトの展示があったほど、『おジャ魔女どれみ』の世界にクラスメイトは欠かせない存在なのだ。
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