「誰にでも似合う服」年160%伸びるアパレルの正体 女性たちに熱烈支持される服はいかにして生まれたか
東洋経済オンライン / 2024年10月17日 13時0分
--ブランド側からの、ある意味「押しつけ」がない。
そう思えるのは、私自身がファッションが好きすぎないし、おしゃれにも自信がないからかもしれません。
会社としては「SOÉJU」を始める前に、パーソナルスタイリングサービス「Let Me Know」を提供していました。これは、お客個々人のファッションの悩みを解決したり、個々にあわせた装いを提案したりするサービスです。そこで、膨大なお悩みと向き合ってきた経験の蓄積も商品に生かされているかもしれません。
お悩みに対して、漠然としたアイディアを出すのではなく、スタイリストが熟慮していろんな商品をお客様に勧めてきました。そこで培った多様で具体的な知見を掛け算していくと面白いものができると思っています。
たとえば、コクーンブラウスという体型を拾いにくく、着こなしに汎用性のある人気定番商品があります。これは、3Dニット(パーツごとに編んで後から縫い合わせる従来の製法と異なり、1台のマシンで一着丸ごと編み上げて作られている)から着想を得ています。3Dのコクーンニットって本当に体型を拾いにくいし、ボトムにトップをインしなくても綺麗に見える。これをブラウス生地で作ったらどうなるだろうという発想から生まれました。
商品開発に関しては、目の前の課題に対して、少しずらした領域の解決策を当てはめてみるということをやってきたからこそ、新しい発想が生まれてきたとも言えます。
ファッションとは無縁の業界からキャリアをスタート
--これまでのアパレルとは全く違った発想が随所に感じられます。それは、代表である市原さんが歩んできたキャリアにも関係あるのでしょうか。最初はファッションとは全く違う分野からキャリアをスタートされていますよね。
新卒で就職した時は、自分がアパレルで起業するなんていう未来は1ミリも思い描いていなかったです。当時は就職氷河期でしたが、最初はアクセンチュアという外資系のビジネスコンサルティング会社に入りました。さまざまな業界のことを学んで、いろいろなスキルを身につけたかったし、当時は、いずれ海外の大学院に行きたいという思いもありました。
--いつか起業したいという考えは?
明確な目標というわけではなかったです。ただ、いずれは経営に関わるような仕事がしたいなと思っていたから、コンサル会社を選んだところもあるのかもしれません。
最初に外資系の会社を選んだことで、キャリアにおいて現状維持はない。常に動き続けることが当たり前であるという感覚が身につきました。
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